27: 眠い人 ◆ikaJHtf2 昭和30年代後半、まだ、日本が貧乏だった頃…。 世界各地の防衛駐在官の実情を視察するため、防衛庁の事務次官が 各国を回って歩いていた。 彼は交際費も情報収集費も不十分で他国の武官のように胸に付ける 勲章も略綬もなく、外務省の情報一元化の厳しいルールに縛られて 本庁との直接連絡も禁じられている防衛駐在官たちの不遇な立場に 痛く同情した。 そのために規程に基づく次官の出張旅費から50ドルずつ寸志として置いて きた。 しかも、その間、彼は各地の防衛産業のテイクケアは全て断っていた。 続きを読む