499: 水先案名無い人 04/08/29 18:39 ID:Ysykh1xp 510 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/08/27(金) 12:56 ID:+2EX1C+J おれにとって,ばーちゃんは『優しさ』の権化みたいな人だった. いつもにこにこしてて,言葉を荒げることもなく,本当に穏やかな人で,家族みんなが, ばーちゃんのこと,大好きだった.ばーちゃんは動物にも優しくて,家の周りにある三毛 猫がうろつきはじめると,餌づけして,いつの間にか家のネコになってた.ほどなくして家 族にもなついたんだけど,おれや妹が抱き上げて撫でてやっても,機嫌よくはしているん だけど,ノドをゴロゴロと鳴らすことはないくせに,ばーちゃんが視界に入るだけで,その 三毛猫はゴロゴロとノドを鳴らしてた.その様子にいつも可愛がってたおれや妹は憤慨 したもんだ.なんでばーちゃんがいるだけでゴロゴロいいやがるんだ,こいつは(`Д´)と. 三毛猫が二度目の出産をしてしばらくたった頃,ばーちゃんが入院した.本人には知ら せなかったがガンだった.入院からたったの一ヶ月.ホントにあっとゆー間にばーちゃんは 逝っちゃった. 看病している時,一言も『痛い』と言わなかったばーちゃん.末期で凄まじい痛みがある ハズなのに,顔を見ては『ありがとう』と微笑むばーちゃん.逝ってしまう1週間くらい前だっ たかな?珍しくしかめっ面してベッドにいるばーちゃんに『痛いのか?』と聞いたら,小さく 頷いた.おれが初めてみたばーちゃんの弱音だった.そんな我慢強い人だった. 死に顔は本当に安らかで,元気だった頃のばーちゃんの穏やかな顔そのもの.遺体を 家に連れて帰って,葬儀をすませたその夜,気がつかない間に,三毛猫は生後二ヶ月 の仔猫4匹を連れて家出した.それっきり帰ってこなかった.大好きなばーちゃんがいな くなったのを感じ取ったんだろうか... あれから9年.ばーちゃんの事を思い出すのも滅多にないよーになってた. 先日,ばーちゃんに会わせてあげられなかった嫁が死産した.おれの子供が,嫁のお腹 の中で死んでしまってた.前日までお腹蹴ったりしていたのに.母体への影響もあると いうことで,嫁は,普通分娩で2日かかって出産してくれた.9ヶ月の男の子だった.体重 2600g,身長49cmまでにもなっていたのに,産声を上げることなく出てきた. 続きを読む