190: N.W 2005/06/21(火) 07:10:29 ID:ig+oVX600 山は異界 今は昔。 頃は夏。木曽の御嶽山に行った時の事。 桃色(高坊)2年の1学期、来週から期末テストが始まる頃、同じクラスで山岳部の新谷から「テスト休みに御嶽へ行かないか」と誘われた。 普段、口を利いた事もない相手だし、金欠なので「無理」と断ったが、何のかんのと説得され、御嶽には一度登って見たいと思っていたから、結局、二つ返事でOKした。 新谷は乗物に乗っている間中、俺に山のウンチクと御嶽の良さを吹聴していた。 が、コイツ、どういう気持で電車を選んだのか、田の原に着いた時には既に昼過ぎ。 それでも3時間余りで山頂に到着。以前乗鞍山岳に登った時、御嶽を見てずいぶんどっしりしたいい山だと思ったが、その期待どおり登れて良かったいい山だ。 そこから約1時間歩いた二ノ池の小屋が今夜の宿泊地だった…ハズだった。しかし、新谷の伝え間違いで、予約は明日になっており、おまけに今日はなぜだか超満員。 小屋の人は気の毒がったがどうしようもない。 新谷は「アテがある」と言い、先頭切って歩き始めたので、俺も後に続く。 まもなく日は暮れ、おまけに霧まで出始めた。これはマズイ。バイクでもそうだが、体が濡れて冷えると極端に体力を消耗する。しまいに体が動かなくなり、最悪の場合、死に至る。それにまずい事はもう一つ。新谷のヤツ、どうもさっきから同じ所をただ歩き回っているような気がする。俺はヤツに声をかけた。 「今日はこの辺でテント張ろうや。おまえの知ってるトコ、もうすぐかもしれないけど、俺ド素人だからさ」 新谷は一も二もなく承諾した。もしかしたら、俺が言出すのを待ってたのか?しかも、コイツはテントを持って来ていなかった。小屋泊りの予定だったからだろうが… 山怖シリーズ http://world-fusigi.net/tag/山にまつわる怖い話 引用元: ・∧∧∧山にまつわる怖い話Part20∧∧∧ 続きを読む