426: 名無し三等兵 平成14年の四月三日、見なれない民族衣装を纏って靖国神社に参拝する一行があった。 一行の先頭には「高砂挺身報国隊」と右から左へ記された日の丸の旗があった。 彼らは当時高砂族と呼ばれた台湾先住民族で、靖国神社に奉られている 戦友や父・兄に会いに遥々やって来たのだ。 高砂義勇隊の戦士達は勇敢にして純真、そして責任感が強かったという。 ジャングルでは方向感覚抜群で聴力に優れ、夜目も利く。潜入攻撃はお手のものだったらしい。 最後の皇軍兵士こと中村輝夫一等兵(スニヨン氏)という存在もあった。 一行の一人、回天特攻隊の生き残り、日本名古田栄一氏はこう話す。 「なぁ~に 回天10隻もあれば、アメリカの空母もやってみせますよ。 私ね、ただ一つだけ・・・靖国神社に入ることが出来なかった事、其れが残念でなりません。 今からでも、私が死んだら靖国神社に入れますか?」 真剣な眼差しで問い掛ける氏の目には泪が溢れていた。 続きを読む