プロならプロらしくプライドを持ってほしいね ロシア・ワールドカップの開催で中断していたJ1リーグが、7月18日に再開されたね。マリノスがベガルタを8-2で下す大味な試合もあったけど、全体的な力関係は中断前とあまり変わっていないというのが率直な感想だ。 ガンバに4-0と大勝した首位のサンフレッチェは相変わらずの戦いぶりで、そのガンバと同様、下位に沈むグランパスも、レッズ相手に1-3の完敗。代わり映えのしない結果で、勢力図を大きく変えそうな事象はほぼなかった。 もっとも、みんなが期待しているヴィッセルのイニエスタとサガンのトーレスは、18日の時点ではまだお披露目されていない。彼らが実際にJリーグのピッチに立ってはじめて、本当の意味で“リスタート”となるんじゃないかな。 世界的にも名の知れたふたりが、この日本特有の暑さの下でどれだけ活躍できるか。ポドルスキみたいに、頻繁に怪我で離脱する事態は避けてほしいね。 もちろん、期待はしているし、高額な年俸に見合うだけのパフォーマンスでJリーグを盛り上げてほしいけど、過剰に特別視するのはやめるべきだ。ファンやサポーターが楽しみに待つのは構わない。ただ、チームメイトや対戦相手までもが「一緒にプレーできて嬉しい!」という雰囲気を醸し出すのは、どうかと思うよ。 そういうスタンスは、もはやアマチュアだよね。日本リーグ時代にペレやベッケンバウアーが来日して、ワーワー騒いでいるのと一緒。何も変わっていない。プロならプロらしくプライドを持ってほしい。 浮かれる前に「なんであいつらが年俸で何億も何十億ももらっているのに、俺はこれだけなんだ!」と怒るぐらいでないと。イニエスタやトーレスに対して、やきもちを焼くぐらいガッツのある日本人選手がいなければ、いつまでたっても日本のプロサッカーの成長は横ばい状態だよ。 Jリーグの再開以外で大きなニュースとなるのは、日本代表の新監督が誰になるか、だね。一部報道では、東京五輪代表チームの監督であり、西野ジャパンでコーチを務めた森保氏が最有力とも言われている。 世代交代に着手しなければならない今の日本代表の現状を鑑みれば、若い世代を見ている森保監督という選択は、悪くないかもしれない。サンフレッチェで三度のリーグ優勝を果たしているように、実績は申し分ない。指揮官として日本代表で指揮を執るだけの実力は十分にあると思うよ。 ただし、新監督を決めるよりも先に、日本協会はやるべきことがあると思う。これまで何度も触れてきたことではあるけど、西野ジャパンにまつわる“ごたごた”をどうきちんと検証し、清算するか、だ。 そもそも、新監督を決める関塚技術委員長は、ハリル解任と西野新監督の誕生によって抜擢されている。ある意味、緊急措置の人事とも言えるけど、ワールドカップが終わった今、それがそのまま同じ職についていていいのか。本当に技術委員長としての適性があるのか。 また、本大会を目前に控えたタイミングで、監督交代に踏み切らなければならない事態を招いたことを考えれば、技術委員会は組織として機能していたのか。そのトップに立っていた西野監督(当時・技術委員長)の責任問題は問われないのか。 監督としては、一定の成果を挙げたとは思う。だけど、それで技術委員長としての仕事ぶりをうやむやにするわけにはいかない。自分が監督になる状況を作ったのは、いったい誰なのか。はっきり言って、西野監督は技術委員長として失格の烙印を押されてもおかしくはない。 ハリル解任に至った原因の追究と今後の改善策の提示など、協会としてとことん話し合われているのか。何事もなかったかのように次のステップに進もうとしているなら、非常に危険だよ。それでは何も変わらない。 都合の悪いことを見て見ぬフリをすれば、同じことを繰り返すかもしれない。クリーンであり、透明性と公平性ある決断と行動が、日本サッカーの未来を明るく照らすと思うんだけど……。 サッカーダイジェスト https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180721-00044331-sdigestw-socc 続きを読む