時は1514年、ルネサンスの只中の時代、アンドレアス・ヴェサリウスという人物が産まれました。 この人物はある分野において科学の進歩に大いに貢献しました。 彼、ヴェサリウスが行ったことは人体の解剖。 その記録と発行した教科書は後の医学に多大な影響を及ぼします。 1500年代にはまだ、錬金術や哲学などのなんちゃって科学が蔓延していたことでしょう。 人体の構造においても、正確ではない知識が一般に支持されていたようです。 そうした時代、解剖学の分野に真理の光を灯したのは、ヴェサリウスの記した『ファブリカ』という本でした。 16世紀に発行されたこの本の影響はどんなものだったのでしょうか? 1500年から1700年前後の人体解剖図を見比べてみることにしましょう。 『ファブリカ』が発行される前 1500年くらいの時代の解剖図 これがヴェサリウスが生まれるより前の時代に認識されていた、人体に関する知識のようです。 本のタイトルは『デ・アルテ』 作者ヒエロニムスは1512年に亡くなっています。 今の時代の一般人から見ても、心臓の位置と手つきが明らかにおかしいですね。 『ファブリカ』に描かれたイラスト これがヴェサリウスの記した『ファブリカ』です。 いきなり具体的な書き込み量になりました。 今の一般人が見て「ここが変だよ!」と、指摘できるものは見つからないかもしれません。 ロマサガ2の敵キャラみてーなポーズをとっていること以外はな 1700年代に発行された解剖図 everyhistory.orgnlm.nih 時代的には『解体新書』と同時期の書物です。 カラーになってグロさが増しました。 この辺りで解剖で得られる知識は頭打ちかもしれません。 ヴェサリウスの生きた当時、人体解剖は恐らく宗教的に禁忌だったかと思います。 しかしおかげで人体の構造について、なんとなくの知識から具体的な知識に移り変わってゆきました。 こうした調査と綿密な記録が、現代の医療技術につながる道を切り開いてきたのでしょう。 科学ノ進歩ニ犠牲ハツキモノデース