1 : 以下、名... - 2013/06/10(月) 23:42:38 BaXkk/Zo 1/281 1 「ありがとうございました」 僕は椅子から立ち上がり、医者に背を向けて言った。 こんなところ、もう二度と来ない。 「気を落とさないでほしい。きっと助かる方法はある」 医者はしゃがれた声で、なぐさめるように無責任なことを言う。 どうも業務的な発言に聞こえるのは、 僕の気分が最悪に近いだからだろうか。 もう医者の顔を見たくなかったので、 「そうですね」と適当にあしらい、 振り返らずに早足で診察室を出た。 夢を見ているような気分だ。まさに悪夢だ。 ただでさえ僕は病院と医者が嫌いなのに、 病院で医者に余命を宣告されるなんて、悪夢以外の何物でもない。 真っ白な壁と医者の声に挟まれて、 ゆっくりと潰されているような、いやな感覚がした。 元スレ 男「僕の声が聞こえてたら、手を握ってほしいんだ」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1370875358/ 続きを読む