640 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:21/08/17(火)01:15:43 ID:N8.v8.L1 [1/2] 昔同僚に「俺は軍師タイプだから」と常にほざいて偉ぶっている男(A)がいた。 かろうじて実務の一部だけは人並み以上には出来ていたがトップクラスでは無く、中の上ぐらい。 それ以外は壊滅的。偉ぶっている割には客の前に出すと萎縮するのがアワアワろくにす喋れないし、 企画なんか出して来てもプレゼンでしどろもどろだから上司には採用されず終わり。 おまけに外見が悪い。小太りで色白の典型的なアキバ系で、趣味も実際にオタクだった。 そんなのが新卒の子にも無駄に丁寧に敬語でたどたどしく接するものだから、すぐに新人にもナメられる始末。 典型的などこに出しても使えない駄目社員だった。 本人曰く「自分は軍師タイプだから、実務側よりも計画を立てて行動したい、そっちの方が上手くいく」 みたいな事も酒の先で言っていたが、会社評価が低いのは知っているので本人が無能なのを 無理やりごまかそうとしているんだろうって、みんなで馬鹿にしていた。 上司もAの事は全く評価しておらず、いつ左遷させようかと考えていたらしく、どっかの地方の支店の 支店長が定年退職したが、そこにAが左遷される事になった。 立場は支店長だけど田舎だし実質は左遷、その支店もいずれは経営統合で無くなる予定だったから実質リストラ。 Aは非常に不満そうだったが「お前、いつも自分は軍師タイプと言っていただろ?軍師らしく頑張ってこいよw」 なんて上司や同僚らに言われて、私ももっときつい言葉をかけて、Aは泣きそうな顔で会社を去っていった。 641 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:21/08/17(火)01:16:31 ID:N8.v8.L1 [2/2] それから数年後、新たな肩書を引っさげたAが自社に戻って来た。 「何故だ!?」と思ったが、上司と、Aと、Aの左遷先の支店にいた社員の話を総合すると、Aは本当に軍師気取りで 支店の改革をしたのだが。 Aののした事をざっくり纏めると ・パワハラの原因となっていた係長と、同じくパワハラ仲間だった平のお局様と彼女の取り巻きに、 急な配置変更、高度な仕事をわざと与えて失敗したら恫喝する等の嫌がらせをして退職させた。 結果的に社内の雰囲気が良くなり、仕事の効率が上がった。 ・同じく、現場も観察して効率が悪かったパートを複数解雇し、若いが仕事出来る人には権限を与え、そのパートさんの元で 作業を実施出来る様に体制変更した。結果、人件費は節約されたのに成果は変わらないどころか向上していった。 ・工具を投げつけるなどして直接恫喝してくるが技術は確かだから仕事をさせざる得ない厄介なベテラン社員については、 態度を改めるか、別会社に同条件で転職するか、備品の器物破損で告訴されて解雇されるか、どれかを選べと脅して、 大人しくさせた。出るとこ出たらAが負けるリスクはあったが、ベテラン社員はロートルなので そういった手段はしないだろうと踏んでいたらしい。 ・数ヶ月かけて各業務の流れを把握、その後で省略化、効率化が出来る所をリストアップして業務改善を実施した。 それに伴い、業務の効率も上がり、成果もより多く出せる様になった。 ・「自分がアニメを観たいから」という理由で、原則仕事は定時まで、どうしても残業が必要な場合は原作8時まで。 それで終わらなければ土曜日に来て仕事しろ、そしたら残業代+休日出勤手当で多く出せるからと通告し、実際にそうさせた。 先に退職させたパワハラ係長とお局様の影響で無駄な残業とサービス残業が常態化し、人件費も増えていたが この改革の影響で人件費は大幅に抑えられ、仕事の効率も以前より良くなった。 結果的にAは数年で支店の経営状態を持ち直し、その県ではトップクラスの売上を出す支店にまで成長させた。 「本当にAは軍師タイプだったのか?」そんな噂が流れた。 Aの支店にいた人間の話だと、Aは初めの数ヶ月はPC前にずっと貼り付いていたかと思えば、社内の人間や 現場に行きパートの様子をじーっと見つめるなどの奇行を繰り返しており、気持ち悪い奴が来たと社内は皆辟易していたらしい。 だが一連の奇行はAによると「社内改善に必要な情報収集」だったらしく、改善が成功した後は皆手の平返して Aを褒め称えたとか。 自社に戻ってきた後のAは、別課の管理部門の長を担当し、そこでも社内改革の成果を発揮した。 その後一旦本社に行った後、次に自社に戻って来た時、Aの肩書は私達の上司になっていた。 社内の管理職候補を差し置いて…… 当然かなり恨まれたけど、Aは露骨に敵意を向ける人間はどんどん切っていったし、逆に上手く媚びてくる人間は厚遇して 「Aに味方をすると得である」という概念を私達に植え付けた。最終的にはA派と反A派に別れたが、反A派は会社からの協力も Aのせいで無くなって仕事も上手く回らなくなり、そうなると査定もどんと低くつけられ、社内での肩身は狭くなっていた。 そうなって反A派からAに頭を下げてA派に行く人が出てきた。私もその一人だ。 最終的に反A派は、退職するか別支店に異動願いを出して会社から居なくなってしまった。 現在のAは社でも重要なポジションに就任し、そこで「軍師」的な事をやっているそうだ。 コロナ禍の影響で会社の売上も一時はかなり落ち込んだが、AとAの子飼いのチームの方針転換で大幅な赤字は回避し、 今年度中にはコロナ禍以前と同等かそれ以上の利益が期待されているそうだ。 Aを馬鹿にしてた側の人間としては、「ケッ!!」という印象しか無いのだが、一社員としてはゴミで使えなくても、 管理者側になったら能力を発揮する、管理者タイプの人間というのが本当に存在したといのは、色々と衝撃的だった。