ゴリラ豪雨

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25 : 以下、名... - 2013/06/17(月) 13:44:50.57 yh0OEmh1P 1/15
『――本日は晴れ、しかし関東西部では夕方からゴリラ豪雨の可能性があります。お出かけになる際は念のため傘をもってお出かけください――』

 そんな朝のニュースが思い出されて、思わず俺はため息をついた。まとまった商談に浮かれてしまい、ふと帰社の前に珈琲でも飲んでゆこうかと考えたのが失敗だったのだ。

「ゴリラ、止みそうにないですねー」

 研修を経て俺の部下に配属された柏が小さく呟く。その言葉の裏にちらつく高揚の影を苦々しげに思いながら、俺は珈琲を啜る。

「なあ」柏は未だ外を眺めている。

「お前さあ、もう学生じゃないんだからゴリラなんかに浮かれるなよ。こいつらが降れば降るほど、俺たちの残業は増えるんだぞ? だからさあ……」

「でも、」柏は俺を遮って言う。「私、田舎の出なんです。だから、初めて見たんです……それに、ほら……」

 ああ、と俺は彼女の故郷が何処であったかを思い出して、言葉を止める。そうだ、こいつの生まれは福島だったのだ。

 何と慰めて良いものか考えあぐねながら、俺は窓の外へと目を見やる。窓の外では積もったゴリラが雄々しく叫び、ところ狭しとひしめいている。

 なんて不幸な生き物だろう、と思う。彼らのほとんどは生きられない。降り積もるゴリラたちはその自重で下敷きになったゴリラたちを潰してしまうのだ。

 彼らにも感情はあるのか、小さい子ゴリラなどが潰される様を目にすると緑色の涙を流す。そう、彼らの叫びは怨嗟そのものであるのだ。

 自分たちをこんな状況に追いやった人間たち、世界、そしてその呪われた運命への――「あ! 見てくださいよ! 今落ちてきたのってチンパンジーじゃないですか?!」





元スレ
ラノベ書こうと思って実際にやったら1Pしか書けなかった
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1371440088/

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