去年より、Youtubeでのオーディオ動画の活性化により、「空気録音」がより活発に行われるようになりました。 この「空気録音」と言う言葉は、10年ほど前に出来た造語であり割と新しい概念です。 それでまでは、近い言葉として「生録」「生録音」がありましたが、これは、1960年頃からテープレコーダーの普及とともにSL機関車や花火、海部など、音を録って楽しむ文化でした。[要出典] それが10年ほど前に、家庭用ビデオ環境と動画サイトの普及から、オーディオシステムをビデオカメラで撮ったオーディオ動画が出現しました。Youtubeなどで海外のオーディオマニアのお宅や新しいスピーカーのインストール風景など、音を紹介していると言うよりも、まだVlogのようなものでした。 しかしそのような動画でも、オーディオシステムからでている音色がうっすらと確認できることが一部のオーディオマニアの間では分かっていたようです。[要出典] そのような流れから、ニコニコ動画やYoutubeを中心に、自宅のオーディオシステムを手軽なリニアPCMレコーダーなどで撮り動画や画像を添えた「空気録音動画」が出現しました。 それまでのオーディオ動画との決定的な違いは、名前にあるとおり「空気」です。オーディオ動画はそれ以前からある程度ありましたが、アナログプレイヤー、テーププレヤー。DACなどのオーディオ出力から直接電気信号をそのままケーブルで繋ぎアナログ録音するようなものでした。 空気録音では、スピーカーから出てくる音を、空気を媒介として録音する新しい録音手法です。 オーディオから出てくる音を録音してネットにアップしてさらに音質を吟味する。これには多くのオーディオマニアが大変強い反発や違和感を感じ取っていたと思います。 普通に考えたら、録音された音を再生したものをさらに録音して再生して聴くという録音再生環境が二重になっており、大変に意味不明でした。 これは、4Kテレビの画質をビデオカメラでとってYoutubeでみて評価するというような感じです。まだ一部ではこの感覚は根強く反発は未だに感じ取れます。 加えて、録音録画してネットに上げると言う行為自体がまだマイナーであり、ネットでオーディオの音を聴いて貰うなんて引きこもりくらいしか考えないような発想でした。それがここ数年のネットの普及と、このコロナ禍の世界の異変により、様子が一変したように思います。 結果として空気録音は、オーディオマニアの間で広く認知され利用されています。なんとも滑稽に思える空気録音がこんなにもメジャーになってきた最大の理由は、オーディオの魅力をネットを通して伝える手段としてもっとも優れていたからです。 よく言えば優れた伝達手段ですが、言い換えてしまうと、これ以上にうまく伝える手段が現状ないとも言えます。 それでも、オーディオ趣味の発現から広く利用されている、スペック数値やグラフでの客観的データや人間の聴感を通したことばでの評論よりも、よりキャッチーであり直感的な分かりやすさがありました。 ※この記事はここまでで1270字です。全テキストの25%です。 TASCAM タスカム - USB オーディオインターフェース搭載 ステレオ リニアPCMレコーダー DR-07X