イチロー(45)の引退会見で、記者そしてイチロー本人が不自然なほど避けたテーマがある。 “チチロー”のことである。 イチローをプロ野球選手に仕立てるべく父・宣之氏(76)が粉骨砕身した話はつとに有名だが、85分に及んだ会見で記者がチチローについて質問することはなかった。 イチローもまた、「本当に妻と一弓(いっきゅう)には感謝の思いしかない」と弓子夫人と愛犬をねぎらいこそすれ、父母については全く言及しなかった。 「イチローとチチローの間に亀裂が入ったのは、イチローが結婚した1999年。 8歳年上の弓子さんとの結婚に宣之さんが大反対したときに遡ります」と大手紙デスクが語る。 「結婚後も嫁舅関係、そして父子関係は悪化しました。宣之さんはイチローのメジャー挑戦にも反対していて、移籍会見当日の朝にその決断を伝えられたそうです。渡米後の関係は“断絶”と言ってもよく、ヤンキース移籍に至っては“テレビのニュースで知った”とこぼしていました」 今回の引退劇も然り。チチローが記者団に語ったところによると、“試合直前に弓子夫人から知らされた”。 引退の第一報は試合開始1時間後だったから、世間が知ったタイミングと大差ない。やはり、父子間の溝は埋まっていないのだ。 大手メディアは、そんな父子関係に触れることなく、チチローのコメントを報じた。 曰く、〈少年時代のことがワーッと思い浮かんできました〉 〈あの小さい子が45歳。メジャーリーガーになって、ここまでやってきた。ウワーッと涙が出ました〉 そりゃ泣きたいだろう。先日、元横綱貴乃花が、長らく絶縁している母兄との復縁を要望した。 イチローにもまたそんな日が訪れるのだろうか。 https://www.dailyshincho.jp/article/2019/04021020/?all=1 続きを読む