すごく難しい流れになっているように思うのは私だけでしょうか。政府から褒められるのは嫌だが助成金はしっかりもらう。ちゃっかりしているのか、それは距離を保つことに成功しているのか。うーん? オススメ記事 是枝監督、文科相の祝意を辞退 「公権力とは距離保つ」 2018年6月8日20時39分 via 朝日新聞デジタル 是枝裕和監督 「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)を受賞した是枝裕和監督(56)が7日、林芳正文部科学相が対面して祝意を伝えたい意向を国会で示したことに対し、「公権力とは距離を保つ」として祝意を辞退する考えを自身のサイトで明らかにした。 発端は7日の参議院文部科学委員会。文化政策について尋ねた神本美恵子議員(立憲民主党)が、安倍晋三首相がノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に祝意を示さなかったことをあげ、「好きな人だけお祝いをするのはいかがなものかと思う」と指摘。その上で、林大臣に「ぜひ近いうちに(是枝監督に)祝意を述べていただきたいのと、総理にちゃんとやりなさいと言っていただきたい」と述べた。これに対して、林大臣は「大変いいアイデアをいただいた。来ていただけるかどうかわからないが、お呼びかけはしたい」と答弁した。 一方、是枝監督は同日付で「『祝意』に関して」とする文章をサイトに掲載。受賞を顕彰したいとする団体や自治体からの申し出を全て断っていると明記し、「映画がかつて、『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、大げさなようですがこのような『平時』においても公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています」とした。 林大臣は8日朝の閣議後会見で改めて、「国会で祝意を表したつもりだが、もし受け入れていただけるのなら、改めて祝意は述べたい」と話した。 助成金と権力の違い 今回の是枝監督の発言について様々な批判が飛び交っていますが、私はまず第一に彼が成した素晴らしい事柄について考えるべきだと思います。パルムドールといえば世界の中でも最も名誉な賞の一つです。これを日本が出す助成金を通して獲得できたのであれば、それは日本の文化政策が求めている最も素晴らしい成果であると言えるでしょう。 そう、すでにこの成果を出している時点でその助成金に対しては最大限の貢献をしているのであって、それこそ文科省側も大満足の話なんです。それを、「お金を出したのだからもっと謙虚にしろ」というのは文化政策として論外といっても良い話なのではないでしょうか。良いの? そういうこと言っちゃって。服従する、従属的な芸術家を求めているのだとしたら、その文化政策の根本的な価値観からもう間違っていると言わざるを得ません。 そもそも助成金というのは国民の税金なのであって、政治家の私費ではありません。その時点で、もう認識を間違えている人たちもいるのではないでしょうか。そうです、これは国民の税金なのです。文科省にも政府にも政治家にも別に慮る必要はないし、おもねる必要もないのです。 反日とか言ってる人は大丈夫か この映画について、反日だとか言っている人も多かったようですが一体何を言っているのかわかりません。そもそも映画をまだ見ていない段階で安易に評価をするのもおかしな話でしょう。そして今となっては明らかになったことですが助成金も手に入れているわけで、文科省だってそれに対して肯定的な評価を下したからこそ助成金を出したのではないでしょうか。 そもそも芸術というのは、少なからず権力に対して批判的な眼差しを持って然るべしです。それなくして一体何が芸術に出来るというのでしょうか。権力や権威は常に抑圧を潜在的に行いかねない暴力を持っており、そして万引き家族のように国民や個人のレベルにその抑圧は現れ、生活を支えるどころかむしろ壊してしまうことすらある。 大体、権力に対して批判的であることを反日と考える人のほうがよほど彼らの言う意味において反日でしょう。批判を受け、どうするか。それを考え続けることが正しい国家の姿なのですから。批判を許さない国家は全体主義国家であり、またファシズム的です。それが危険なことであることもわからないなら、もう話が通じないのでそれはそれで良いんですけどね。