なんとなく体感と違いますが、実際のところ長時間労働は減ってきているという東大の研究が出ました。少しは日本もマシになっているのか。 オススメ記事 長時間労働、10年で3割減 帰宅も早く 東大調査 杉原里美 2018年5月18日11時01分 朝日新聞デジタル 月に240時間以上の長時間労働をしている男性が、2007年からの10年間で約3割減っていたことが、東京大学社会科学研究所の石田浩教授らの調査でわかった。帰宅時刻も早まる傾向にあり、石田教授は「家族と交流する時間が増えているのではないか」と分析している。 調査は働き方とライフスタイルの変化を追跡するため、07年から同じ個人を対象に実施し、対象者が抜けた場合などは新しい個人を加えている。17年は3~5月に実施し、約3400人から回答を得た。 10年間の変化を分析したところ、月に240時間以上働く人の割合は、企業の正社員など「典型雇用」の男性で35・4%から23・7%と約3割減少した。契約社員やアルバイトなど「非典型雇用」の男性も、17・3%から8・2%と半減した。女性の長時間労働をみると、典型雇用の人は12・1%から8・2%、非典型雇用の人は3・2%から1・1%になっており、やはり減少傾向だった。 働く人の帰宅時刻も、早まっていた。働く男性の平均帰宅時刻は07年に午後8時2分だったが、17年は同7時48分で、14分早かった。また、働く女性は午後6時48分から午後6時1分と、47分早まった。若い層でも深夜の帰宅が減っており、30歳以上35歳未満の働く男性で午後11時から午前1時までに帰宅する割合は、11%から4%になっていた。 調査によると、帰宅時刻が遅いほど「夫婦で一緒に食事をする」「夫婦で話をする」人は減る傾向にある。特に、帰宅時刻が午後11時以降になる男性は、午後8時から同10時に帰宅する人と比べ、「一緒に食事をする」割合が急激に減るという。 明治大の永野仁教授(労働経済学)は、「08年のリーマン・ショックの影響で労働時間が一時的に短くなっただけなら、景気回復とともに再び長くなっているはずだ。長時間労働に対する関心が社会全体で高まり、企業が労働時間を減らす取り組みなどをした効果が表れているのだろう」と評価する。(杉原里美) 信じられない結果 ちょっとにわかには信じられないのですが、感覚よりもこういう調査データのほうが信頼出来るのも確か。もしかして最近は、みんな家に早く変えられるようになっているのですか。散々、会社に人生を奪われているという人がたくさんいたように思いますし、長時間労働やブラック労働、過労死の問題はまさに日本の最も顕著な問題として取り上げられていたにも関わらず、減ってきているというのですか。 だとしたら実に喜ばしいことですが、月に240時間以上働く人が減った-しかも非正規雇用なども含め-はすごいことです。まあそもそも月に240時間て…どのくらいかっていうと1日8時間の土日休みだと仮定して月に20日間稼働すると考えれば160時間。240時間も働いているということはこれに加えて80時間も働いていた層ですよね。 これは8時間労働を+10日間している、すなわち土日も休みなく毎日8時間労働しているような人たち。朝の8時に出社して17時に退社し続けるような生活をしている人です。あるいはもう少し慣らして、土日のどちらかだけ8時間出勤するとすると、週6労働で24日間×10時間労働≒240時間ですね。週に1度しか休めなくて、しかも朝の8時から19時まで働き詰め。通勤時間を考えれば家にいる時間は20時から朝の7時でしょうか。これがほぼ毎日、ずっと、定年退職を迎えるまで…。 そんなぞっとするような生活をする層が、少し減った。これは喜ばしいことですが、小さな小さな一歩であることも自覚するべきでしょう。240時間も働いていた人間がいた事自体が、本当に信じられないことなのですから。これで子育てするとか不可能です。まだ給料が高ければ家事サービスなど全部代行をお願いしたら良いかもしれませんが、そんな高い給料をもらえている人がどれだけいるか。いませんよね。 騙されちゃいけない この研究結果自体は素晴らしいものですが、しかし諸手を挙げて喜べるほど素晴らしいものではまったくないということをちゃんと理解しておきたいところです。もっとゆとりのある働き方が当然にならなくては、今後の日本はますます生きづらい世界になっていくでしょう。副業解禁などの流れもありますが、これだけ会社に時間を使っていては副業をするのは著しく困難でしょう。帰ったら寝るだけですよ。 なんというか、日本がなんでこんな働き方になってしまったんだろう。そう思うと悲しいです。どれだけ多くの人が、会社以外の生活の時間を持てていないか。それによって生じている損失は、見えない形で日本の首を締め続けています。経営者の意識改革が一番最初に来る重要な要件なのかもしれないな、と思います。