加速する人材不足の中、なんといま目をつけられているのは受刑者たち。彼らの再社会化が問題となる中、重要な動きでしょう。 オススメ記事 受刑者は「金の卵」 神戸刑務所で面接会、内定好調 人手不足の中、資格も武器に「売り手市場」 2018年05月13日 06時00分 via 西日本新聞 受刑者の更生のため出所前に職を確保する機会をつくろうと、神戸刑務所(兵庫県明石市)が受刑者を対象にした就職面接会を開いている。人手不足が深刻な土木業界など企業側のニーズとも一致し、この1年半で延べ57社が参加。採用内定を得た受刑者は58人に上る。出所者を「金の卵」と呼ぶ会社もあり、企業側が待遇をアピールする「売り手市場」となっている。 神戸刑務所の就職面接会は2016年8月、全国初の取り組みとして始まった。地元のハローワークの協力を得て企業に声を掛け、土木や介護など6社を集めた。残りの刑期が少なく、就労意欲がある受刑者11人が参加し、うち8人が内定を得た。 17年度末までに計5回開いた。参加企業は徐々に増え、今年2月には19社に上った。刑務所の体育館に企業ごとのブースを設け、刑務所の就労支援スタッフに背中を押されるなどして、受刑者が希望する企業の面接を受けている。 受刑者によって異なる出所時期に対応するため、本年度は5月から毎月開催になった。就職しても長続きしないなどの課題もあるため、担当者は「参加企業を10社程度に絞り、受刑者のニーズにマッチさせ、定着率の向上も図りたい」と意気込む。 好調な内定実績の背景にあるのは深刻な人手不足だ。土木や建設業界では出所者を「金の卵」と呼ぶ会社も。面接会では、人事担当者が寮の居住性や食事の内容などの待遇をアピールする姿が見られる。 関西に本社がある建設会社は約8年前から、従業員確保のため各地の刑務所に出向く。人事担当者は「土木、建設の資格や技術を持ち、思いがけない出来事で刑務所に入ってしまったような人も少なくない」。 出所の際は刑務所まで迎えに行き、事務所に連れて行く。道中で逃げ出したり、働き始めてすぐに辞めたりする人もいるが、寮生活の従業員約80人のほぼ半数が元受刑者という。 受刑者更生の協力者だった企業側の立場は今や逆転気味。人事担当者は「以前は面接で緊張し『頭の中が真っ白になった』と言う受刑者もいたが、最近は態度に余裕がある」と言うと、こう漏らした。 「受刑者が企業を選ぶ時代になった」 人材獲得競争は過熱 いま、人材業界が熱い。知っている人にとっては周知の事実ですが、いまは新卒市場も圧倒的売り手市場。数年違えば全然内定が取れなかったであろう人も、ただ景気が良いというだけでそれなりの企業に入ることが出来る時期です。つい最近までは無い内定とか、就職ぷち氷河期などと言われていたことを思うと、本当にこういう業界は水物だと思いますね。 中途市場も、スキルを積み重ねている層にとっては今は美味しい時期。ミドルマネージャーが少ないため、実務経験やマネジメント経験がある中途社員は喉から手が出るほど欲しい人材です。いま、まさに人材市場が最高の熱を帯びている状態なのです。そのような目から見てみると、受刑者も大事な金の卵だというのだから面白いですね。 建築系の人手不足はすごい 実際、業界によってもこの人手不足のレベル感はそれぞれ。その中でもとりわけ異常なほどの人手不足に煽られているのが土木系、建築系です。せっかくオリンピックを東京に招致したことで仕事自体はそれなりにあるのに、その需要に応えられるだけの人や技術やリソースが足りていないのです。 目の前に稼ぎ時があるのにそのために人を巻き込めない業界が、受刑者に目を向けるというのは凄く良い流れだと思います。なんといっても、受刑者というのは単にそこで服役を終えて出てきたら自動的に社会に溶け込むわけではありません。彼らは再社会化と呼ばれる、実社会に溶け込むためのステップが必要なのです。 前科があったりすると当然ながら就職もしにくかったり、隠して就職してもバレたらすぐクビになってしまいます。最初から自分が受刑者だったことをわかった上で雇ってくれるところがあることは非常に大きな頼りになるのです。ただし、彼らも就労意欲がそれまで高いわけでもないので半年ほどで辞めてしまう例もあるようですが、まあそれはそれでしょう。 人材業界が目を向けた受刑者たち、彼らがこれからどのような人生を生きていくのかは日本社会にとって非常に重要です。服役を終えたら年齢は40台になっている場合もあります。彼らはまともな仕事には就きづらく、また犯罪を犯して元に戻ってしまう人も少なくないのです。仕事があること、収入があることが人生を生きて行くことの大事な要素なのです。