読んでいて胸が詰まるような記事。性的暴行、性的ないじめ、閉鎖空間である児童養護施設で行われる負の連鎖が辛い。 オススメ記事 「誰にも話せなかった」 施設内性暴力、声あげられず 2018年4月16日05時01分 朝日新聞デジタル 三重県からデータを入手した団体は同県名張市の自営業、春日水鳥(みどり)さん(42)が昨年9月につくった。 被害者も加害者も子ども 施設での性暴力、厚労省調査へ 離婚後に体調を崩し、施設に預けた長女(当時7)が11~12年、同じ施設の少年(当時13)から下着を下ろされて下半身を押しつけられるなど、わいせつ行為を繰り返し受けたとして、13年に県と施設、少年に損害賠償を求めて提訴。昨年4月、津地裁が性被害を認め、少年の母親に180万円の支払いを命じた。春日さんは県や施設の責任を認めなかったことを不服として控訴。名古屋高裁が今年2月に棄却したため、最高裁に上告している。 12年度までの性被害の実態は、津地裁の文書提出命令で開示された。その後の件数も県から入手した。春日さんは「長女だけの問題ではない。被害をなくすために活動したい」と話す。 この問題は、被害者が声をあげにくいこともあって表面化してこなかった。 小学生のころ児童養護施設に暮らしていた20代の女性は「年上の女子3~4人から裸にされ、写真を撮られた。抵抗すると殴られたり、けられたりした」と話す。複数の男子中学生からも建物の陰などに連れて行かれ、下半身をなめさせられたり、触られたり、わいせつ行為を受けたが、だれにも話せなかったという。三重の裁判を知り、「自分と同じ被害を繰り返してほしくない」と涙ながらに語った。 施設の虐待問題に取り組んできた市民団体「施設内虐待を許さない会」の竹中勝美・事務局長は「加害者がかつては被害者のことが多い。どこでも起きている問題で、まずは実態把握が必要。子ども間の暴力も法律で報告を義務づけるべきだ」と話す。 性暴力の問題に詳しい医師で、認定NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク理事長の山田不二子さんは「施設で集団でおふろに入るなどは論外で、入浴は個別、小学5年以上は居室も個室化するべきだろう」と語る。「加害者の子どもを悪者扱いし、排除することは解決にならない。加害に至る子どもたちの背景を第三者が調べるべきだ」 約600の施設からなる全国児童養護施設協議会の桑原教修(のりひさ)・会長は「子ども間での性加害・性被害は、どこで起きてもおかしくない。懸命に対応しているが、職員の専門性を上げる必要があり、いまの人員配置では不十分と言わざるを得ない」としている。 児童養護施設に来る子どもたち これはかなり重たいニュースですね。何十年も経ってからでないと口にだすことも出来ないような、苦しい記憶です。しかも、恐らくは今もまだたくさん起きていることだと思います。児童養護施設の中での性的暴力、しかも児童間での。スタッフから児童への性的暴行や虐待は時々話題になりますし大きな問題にもなった恩寵園事件のようなものもありますが、児童間でのものというのはあまり表には出てこないのではないでしょうか。 児童養護施設とは、様々な事情で親と暮らすことが出来ない子どもたちを保護する施設です。多ければ数十人以上が同じ施設で暮らすことになります。2歳から18歳まで住むことが出来ますから、年齢も性別もバラバラ。もちろん諍いもたくさん起こるわけです。兄弟姉妹ですら喧嘩するのですから、赤の他人でありながら共同生活をするストレスというのは大きなものでしょう。 児童養護施設に預けられる理由は様々ですが、大きくは経済的な理由ないし養育的な理由です。前者については単純に親にお金がなく最早まともに育てることが困難である場合、後者は親の養育に問題があり(虐待、ネグレクトなど)家にいるのが危険な場合です。児童虐待を受けてから児童養護施設に来ている子どもたちも多いのです。 被害の連鎖 そう、ですから多くの子どもにとってコミュニケーションには暴力が伴います。少なくとも、暴力とコミュニケーションが結びついた形で学習されてしまった子どもたちは少なくありません。ひどい言葉を投げつけたり、殴る蹴るなどの暴力などを親がしていた場合、子どもはそれを学習するのです。自分がされたことを、周りの人間にもしてしまう。児童養護施設の中で、被害者だった児童が一転周りの児童に加害をするケースはこのように作られていきます。 しかも、多くの子供達にとっては保護される場所としてやってきたわけですから、そこから出ていけるとか他の施設にも移動出来るというのは想像ができません。とすると中々周りの大人にも相談しづらいのです。児童間のことですから、第三者機関もありません。施設の人に嫌なことをされたら訴えられる機関のポスターなどはよく施設の中にも張り出されていたりするんですけどね。 なんにせよとにかく痛ましいニュースですが、大事なのはこのような告発を受けてどうやって施設や運営を改善することが出来るかというもの。間違いなくいまもこのようなケースは存在しているので、そこに向き合っていく必要があるでしょう。