漫画村に関与していた広告系の人が取材を受け「良心が傷んで退職」

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漫画村のようなサイトがなぜ利益を上げているか? それはそこに広告を載せられるから。いま広告業界に倫理が求められている。

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社会問題となっている海賊版サイト「漫画村」「Anitube」「MioMio」に関与する広告代理店A社の元従業員がねとらぼ編集部の取材に応じ、「取引先はほぼ著作権侵害サイト」「偽名での営業」「たびたび労働基準局がやってくる異常な社内環境」などの業務実態を語りました。また広告代理店と出稿主との生々しいやりとりのメールを独自入手。漫画村の実質的窓口となっていたというX社にも迫ります。

漫画村への広告出稿の流れ(編集部作成)

なぜ広告代理店は海賊版サイトに広告を出すのか
 情報提供者はA社とそのグループ企業(以下、A社グループ)で今年まで営業関係を担当していた人物。「私の行った過ちを明かすことで少しでも人の役に立てるなら」と取材に協力してくれました。
――早速ですが、A社はどのようなサイトと取引しているのでしょうか。
情報提供者:「漫画村」「Anitube」「MioMio」はもちろん、ほかの海賊版サイトも含めると1000件近くのサイトとアドネットワーク(※)で取引があります。取引先は著作権を侵害しているサイトばかりで、「ほとんどがアウト」というような状態です。
(※)アドネットワーク……広告代理店が広告媒体となるサイトを集めて「広告配信ネットワーク」を作り、いろいろなジャンルのサイトに広告が表示されるというシステム。

4月17日ごろに動画の掲載を取り下げたMioMioにも関与していた(画像の一部は編集部で加工しています)

――A社は日本インタラクティブ広告協会(JIAA)にも加盟していますよね。なぜそのような海賊版サイトと取引をするのでしょうか。
情報提供者:会社から営業担当者が非常に厳しいノルマを課されているからです。本当はみんなクリーンな広告に携わりたいはずです。しかし、結局ノルマが達成できないということで、「違法なサイト」と認識しながらもアクセス数が多い海賊版サイトやグレーなアダルト系のサイトに手を出してしまうんです。
――ノルマはそんなに重要なことなのでしょうか。
情報提供者:もしもノルマが達成できないとなると、役員に呼び出されて非常に厳しい叱責を受けます。また部署内でも「ノルマが達成できなかった人」というような雰囲気を出されてしまい、強い疎外感を感じます。こうした雰囲気や、偽名で営業をさせられることなどに気を病んで会社をやめてしまう人は少なくありません。
――偽名で営業とはどういうことなんでしょうか。
情報提供者:私が働いていたA社グループにはいくつもの関連会社や子会社があり、日によっては「A社の田中です」と名乗ったり、「B社の鈴木です」「C社の山中です」と偽名を名乗ることになっていました。またA社やB社、C社の間にはバーチャルオフィスに登記されたいくつものペーパーカンパニーが挟まれていて、お金の流れや会社の実態が表面化しにくいような構造が巧妙に作られています。
――営業というのは具体的にどういうことをするのでしょうか。
情報提供者:新しいアフィリエイター(Webサイトを運営して広告収入を得る人)の開拓であったり、企業に出稿を持ちかけたりといった業務です。
「Facebookで見つけた無関係の人を勝手に広告塔に――」広告代理店の信じられない宣伝ページ作り
――広告代理店は営業以外にどんな仕事をしているのですか。
情報提供者:筋力増強サプリの案件を例に説明すると、まずサイトに設置するバナーを制作します。次にバナーを押して表示される広告宣伝のページ、通称“訴求”の画面を作ります。怪しい商品のバナーをクリックすると、縦長でずら~っと「これさえあればムキムキ!」「強い男を作る!」というような効果を説明する画面が出てきますよね。あれがまさに“訴求”です。
――確かによく見ます。余談ですけれども、あのような製品って本当に効果があるんでしょうか。
情報提供者:ほとんどないです。例えばサプリを飲む前と飲んだ後のビフォーアフターの画像ってよく見ませんか。あれはサプリに全く関係のない人の画像をFacebookなどで探して合成していることが多いです。
――知らない間に商品の広告塔になっているかもしれないということですよね。それって詐欺なんじゃないですか。
情報提供者:全ての案件がそうだとはいいませんが、多くが詐欺ですね。しかもビフォーアフターの比較対象が別人ということもザラにありますから、本当に問題だと思います。
――広告主はそれを了解しているのでしょうか。
情報提供者:あまりよく見ずに「これでいい」といっているのだと思います。
――優良な広告主もいるのでしょうか。
情報提供者:ある大手ECサイト運営会社はかなり優良だと思います。この会社からは度々「出稿NGサイトリスト」が送られてきていました。
――どんなサイトがNGだったんでしょうか。
情報提供者:漫画村、Anitubeはもちろん、同人誌の違法アップロードサイトも含めると300件近いNGがありました。最近だとMioMioが4月にNGリストに入ったようです。
 
via: 「漫画村出稿メール」を独自入手 「偽名営業」「取引先は海賊版サイト」元代理店従業員が語る異常な実態 (1/2) – ねとらぼ
 
漫画村が悪いのは事実だが広告業界も酷い
しかし、やはりこういうことの色々の潮目が変わってきたなあという気がしますね。何かというと、直接悪いことをしている漫画村のような存在ではなく、そういう悪いことをしているサイトに広告を出している会社側にもこういう視線が入った記事が書かれるようになったところです。漫画村のような違法サイトがあったところで、もしもそこに広告が1つも出せなかったらそんなビジネス即座にやめていたはずです。
 
広告収入が得られるからこそ、漫画村の運営者はあのサービスを運営していたわけですよね。少しでも多くの人間がやってきたらお金になる。元々のコンテンツは自分たちが制作費用を一切払わなくて良い、出版社などが漫画家にお金を払っているわけですから。仕入れがタダで出来て、後は人がいっぱい来たら良い。こういうビジネスモデルがうまくいくのは広告があるからです。
 
最近、そのような点で大きな問題になっているのがyoutubeですよね。一部の過激なyoutuberや非常にモラルレスなyoutuberは、なぜそんなことをやっているかというと、それをやると広告収入が入るからです。お金になるからこそどんどん過激になっていくわけですが、もしもお金にならないならやめているでしょう。誰にも見られないなら仕方がない。
 
エシカルアドの時代
ですから、いまyoutubeはたくさんの企業から文句を受けています。というのも、自分たちの会社の商品やサービスを、そういう過激な動画の合間に挟んでしまっては会社のイメージが悪くなるからです。そういう過激な動画を使って自社の宣伝をしていると思われてもおかしくないわけですから、ある種の道理は間違いなくあるでしょう。
 
youtubeはそういったアカウントを削除したり、会社ごとに持つポリシーに沿って出す広告をコントロールするための諸々の仕組みを作り始めているようです。非常に重要なところでしょう。インターネットの発達に伴って、個人の発信が容易になったこと、広告での収入が獲得出来るようになったことから生じる必然的な歪みだったわけですが今後流れが変わっていくことが予想されます。
 
しかし今回の漫画村については基本的にサービスが叩かれるばかりで、そういうアドネットワークについての指摘が少ないように感じますね。第二第三のサービスが出るだけだとうそぶいているようですが、それは広告を出す会社がいる間だけですよね。

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