突然看護師に手足を押さえられ不妊手術を強制されたろうあ者たち…奪われた権利

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権利なんていう言葉を使うのが馬鹿らしくなるほど、絶対に許されないような蛮行だ。ちょっと前まで日本もこういう国だったことを忘れないようにしたい。



父の指示で不妊手術、ろう者「かりたてた社会は間違い」

勝楽佐代子さん(左)と進さん(淡路ふくろうの郷提供)





 この苦しみを伝えなければ――。優生保護法が強制的な不妊手術を認めた時代、聴覚に障害のある人も子どもを産む権利を奪われた。その怒りや悔しさを、手記や手話の映像に残している。


特集:強制不妊手術


 兵庫県の勝楽(かつらく)佐代子さん(88)は結婚まもない30代で、夫の進さんが不妊手術を強いられた。「強い怒りと深い悲しみに明け暮れた」と進さんは手記を残し、3年前に85歳で亡くなった。優生保護法に基づく手術なのか、経緯はわからない。「記録を探したい」と佐代子さんはいう。
看護師が突然手足押さえ
 ろうあ者同士で結婚した。子どもがほしいと考えていた進さんは、弟に促され病院に行った。看護師4人が突然手足を押さえてズボンを脱がせ、医師が手術をした。激しい痛みが1カ月続いた。子どもが授からず、しばらくして不妊手術だと悟った。
 当時、優生保護法は本人同意が不要な不妊手術を認め、「遺伝性の難聴又(また)はろう」も対象とした。進さんの手術は法に沿っていたか不明だが、進さんの父が指示したという。「父を断種にかりたてた社会は間違っている」と進さんは手記に書く。
 佐代子さんは結婚前、母に連れられて産婦人科に行った。子どもを産めると診断され、母は医師と話し込んだ。進さんの両親と相談し、進さんへの手術を決めたのだろうと想像する。
via 朝日新聞デジタル 父の指示で不妊手術、ろう者「かりたてた社会は間違い」
 
絶対に許されないこと
こんなことが実際に行われていたのかと思うと涙が出てきますね。自分の権利を不当に奪われ、自分の知らないところで自分の体のことを決定され、自分の合意なく自分の最も重要な機能の1つが失われてしまった。小難しい議論など必要なく、やはりこれはとんでもないことだった。こういう形でもう随分時間が経ってからでも、明るみに出て議論されていることは非常に価値のある事だと思います。
 
誰かが勝手に人の価値を決めて、その人が生殖することを許したり許さなかったりすることというのがどれほど罪深いことなのか、いまも様々な場面で似たようなことが起きていますが、それを考えるための重要なサンプルケースになるのではないでしょうか。優秀な人間だけが、優れた人間だけが子どもを残して良いなどと断言したりそれを制度的に認めることは、こんな悲しみを生むのだ。
 
国家という視点に立てばもしかしたら合理的なのかもしれない。でも、個人レベルで見た時に絶対に侵してはならない領域に暴力的に踏み込まれてしまった人の傷は長い間ずっと残るものです。今回の場合だと、まさに一生残るものになってしまいました。悲しい、とても残酷な話です。
 
家族を持つこと
いま、というかこれまで長い時間をかけて私達は家族を持つことや子どもを持つことがとても素晴らしいことのように教えられて育ってきました。それは事実でしょう。もちろん人によって様々な家族があり、あるいは無く、良いイメージを持っている人ばかりではないでしょうが、家族という形態が持つある種の連帯感、情や団欒といったものは人生におけるとても素晴らしい経験の1つです。
 
今回のニュースのような行いは、まさに生きる意味を与えるこのような場を作ることを邪魔して破壊するものです。これほど罪深いことも中々無いでしょう。この人達は生きながらにして、社会が良しとする人生像をボコボコに破壊されてしまったのですから。もしも社会がこのような価値観を持っていなかったのならまだしも、そのような価値観を積極的に発信している政府や国家によってこのような蛮行が許されたのだから、本当に恐ろしい時代だったのだと思います。
 
彼らの悲しみや苦しみが癒えることはありませんが、同じようなことを繰り返さないために反省して今後の行動を変えることは出来るはずです。過去のことだと忘れてしまうのではなく、これからに活かすためにもこの問題はもっと取り上げられていくべきでしょう。

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