低所得者層の家庭が諦めるのは学習塾、キャンプや海水浴の思い出…。

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胸が痛くなるような内容ですが、心配なのはいまこの瞬間の体験の喪失ではなく、むしろその喪失が今後にどんな影響を及ぼすかというところです。

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 子供の貧困対策に取り組む公益財団法人「あすのば」(東京)は13日、低所得世帯の保護者の7割が、経済的理由から子供の塾通いや習い事を諦めているとのアンケート結果を公表した。昨年10~12月、「あすのば」が低所得世帯に支給している給付金を利用した保護者と子供を対象に調査した。
 子供に関し「経済的理由で諦めたこと」を複数回答で尋ねると、908人の保護者が回答。「塾・習い事」が68.8%で最多を占めた。「海水浴やキャンプなどの体験」が25.3%、「誕生日などのお祝い」が20.2%だった。
 子供にも同じ内容を複数回答で質問し、504人が答えた。「洋服や靴、おしゃれ」が52.0%で最も多く、「スマートフォンや携帯を持つ」29.8%、「学習塾」28.6%だった。
 世帯の収入も調査。年収は手取りで約139万円(中央値)、生活保護などの諸手当を含めても約203万円(同)にとどまり、生活の厳しい実態が浮き彫りになった。
via: 低所得世帯、7割が塾通い断念 民間団体調査 – 産経ニュース

 
奪われる体験
子どもの貧困という言葉がビッグワードになってきた最近のニュース。今回の調査結果も非常に胸が痛むものです。貧困というのはそれ自体が問題ではなく、それによって生じる様々な不利益というのが問題です。ただ美味しいものが食べられないとか、あるいはきれいな服が着れないというだけではなく、貧困の不幸はより本質的には体験や経験を得ることができないということです。
 
今回のニュースでは大人の観点から見ると学習塾の他にキャンプや海水浴というキーワードもあがりました。しかし子供の観点からはそのようなワードは出てきていません。つまり彼らはそのような経験を自分たちが剥奪されているということも知らないということなのです。
 
しかし当然大人達はそれが一体どんなことなのかわかっています。長期休みにどこかに行って普段とは違う体験をすること。それが心や体にどれだけ良い影響を与えるかということ。将来的に余暇をどのように過ごすのかという大事な文化的資産であるというとを知っているのです。しかし子供達はそのような体験の重要性すらそもそも知らないのです。これこそが子どもの貧困の最たる例だと言えるでしょう。
 
貧困の再生産
なんといってもやりきれないのは貧困というのが再生産することだということです。親が貧しいとそれに合わせて子供もいられるべき経験失ってしまって、成長の機会を失う。成長の機会が失われているから、将来的なチャンスをつかむこともできない。スキルも無ければチャレンジする精神も持ちづらい。貧困を何とかするというのはまさに国民の未来を何とかするということと非常に近いのです。
 
生活保護などを否定する人も多いのですが、彼らはそれが回り回って国家全体のために、そしてそれが自分自身の生活にもつながってくるということに自覚的でないのです。 なぜならば下のレベルが低ければ低いほど、治安の悪化につながったり基本的なサービスの質が大きく下がるからです。日本は平均的な教育レベルが非常に高いためあまり気づかれませんが、国民の受けられる教育のレベルが低いと例えば単純計算すらできない人たちが大量に出てきます。
 
しかしそのようなレベルの話をしてるのではありません。今子供たちの貧困から救わなくては、彼らはこれから20年30年後に生活が苦しくなり社会保障に頼らざるを得なくなり、その費用は莫大なものになるかもしれません。結局、いまある貧困が将来の貧困をどんどん大きくしているのです。対応は早いほど効果的。子どもの貧困は的確な解決策を早期に打ち出す必要があります。

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