ソース不明のホワイトハウス関係者の発言をツギハギしたトランプ暴露本、爆売れ

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炎と怒り、というトランプ関連の暴露本が物凄く売上を生んでいます。アメリカでいま起きているのはジャーナリズムの崩壊なのか、それとも単なるゴシップの復活なのか。

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Fire & Fury”の雰囲気を掴むには、第1章を掲載したニューヨーク・マガジンのイラスト(http://nymag.com/daily/intelligencer/2018/01/michael-wolff-fire-and-fury-book-donald-trump.html)を見るのが早い。

Illustrations by Jeffrey Smith(New York Magazineより)

そもそも第1章を発売前に公開し人びとの関心を集めるのは、ウェブ以後の現代では全く普通のことであり、その内容に対して、書かれた当人のトランプから反応を引き出すのもソーシャルメディア時代の常套手段。いわば一種の炎上商法であり、ひとたび火が着けば、その火に合わせて人びとの様々な思惑がついて回り、あっという間に誰もが知るところとなる。
では、その火種は何だったのか。
先の記事のタイトルに“Donald Trump Didn’t Want to Be President”とあるように、ウォルフによれば、トランプ自身、まさか本戦で勝つとは思っていなかった。メラニア夫人に至っては、当選の報にむしろ困惑し、涙まで流したという。
立候補した以上、さすがに勝つ気くらいはあったのだろうと思っていたのだが、どうやらそうでもなかったらしい。
となると大統領選自体が、まさに有権者による選挙全体の空気を読んだ「美人投票」と化していたことになる。トランプは、誰もが投票したくなるようなその美人モデルを演じたにすぎない。


 
via: トランプ暴露本がジャーナリズムに突きつける苦い問い(池田 純一) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
 
真実はどこへ行った?
ポストトゥルース時代における、真実とは一体なんなのでしょうか。今回の暴露本を出した男は非常に明快な思想を持っています。それは「もはや真実といえるものはない。ソース不明のたくさんの発言や言葉の中から、それらしいシナリオを見つけ出すことがそれに代わるのだ」といいます。
 
要するに、噂話をたくさん集めて、それをうまく継ぎ接ぎして、一番それっぽいものが真実になるのだということです。これは一般的なジャーナリズムが目指す「真実を明らかにする」という方向性とは全く別物であると言って良いでしょう。
 
実際、この大変売れている「炎と怒り」という本にはソース不明の発言が多すぎて多数のコメンテーターなどがそれに対して苦言を呈しています。片っ端から全部作り話にした上で、トランプ大統領をひたすら非難したりバカにしたりする内容になっているのならば、それは最早単なるB級のゴシップ雑誌ですから。
 
でも、ゴシップが勝つ
とはいえ筆者はそんな反論は当然予想しています。予想した上で、今の潮流の最先端を生きています。要するに、SNSなどが発達して、刺激的でスキャンダラスな内容のものがたくさんシェアされ、真面目で硬い内容は誰にも届かないのであるから、どれだけ面白おかしくそれらしく語るかこそが大事だと確信しているのです。
 
真面目な内容で例えそれが真実であっても、誰にも届かないならそれは最早真実としての意味を持たない。彼は遠慮なく炎上マーケティングを行い大きな成功を収めました。たくさんの人が本を買い、そこに書かれたことを読む。アンフェアであっても、人間というのはたくさん触れた情報を信じるように出来ていますかrあ、小さくて確かな真実などそれらの前では何の意味も持ちません。
 
民主主義がどうなっていくのかという疑問はあります。彼らアメリカ人一人ひとりが投票権を持ち、アメリカのこれからを決めるわけですが、その意思決定の前提になっている多くの情報が全部噂話だとして、それでも彼らは大統領を決めることが出来てしまう。ポストトゥルース時代というのはまさに、そのような社会なのです。恐ろしいですね。

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