これからあらゆるものがインターネットに繋がることが予測される中、無線ネットワークの重要性はいくら強調しても足りません。そんな中、なんと政府がその開発へ進もうとしているらしいのです。 オススメ記事 【1月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権の国家安全保障チームが超高速の第5世代(5G)通信網を独自に構築することを検討していることが明らかとなり、通信業界や政府内から激しい批判が巻き起こっている。 事情に詳しい当局者はAFPに、この検討案は国家安全保障担当の高官からの要請を受け、数週間前から協議していると明かした。 この計画について最初に報じたインターネットメディア「アクシオス(Axios)」によると、インターネットのセキュリティーに関する中国の脅威に対抗するため、最新かつ最速の5Gの通信網を政府が管理することを検討しているという。 アクシオスが確認した当局高官が作成したメモは、中国が5Gの技術をけん引しており、オンライン上の「悪意ある行為」を支配しているため、米国は早急に5Gを導入すべきだと主張している。 しかしこの計画は、民間の通信網に長年頼ってきた米国の政策に反するもので、業界や規制当局者らは即座に非難した。 これについてサラ・ハッカビー・サンダース(Sarah Huckabee Sanders)大統領報道官は、政権が「安全な通信網の確保」について協議していることは認めたものの、協議は「ごく初期の段階」で決定事項は何もないと説明した。 業界トップらは、5G網の整備には民間部門がすでに着手していると主張している。5Gは、電化製品から自動運転車までインターネットに接続するさまざまな装置にとって重要になると見られている。 業界団体USテレコム(USTeleco)のジョナサン・スパルタ-(Jonathan Spalter)会長は、政府が国営の通信網の構築に乗り出せば、5Gの導入に「急ブレーキをかける」ことになると指摘している。(c)AFP/Rob Lever via: 米政権が5G網構築を検討、業界や規制当局が反発 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News 民間の反対は当然 今回の動きに民間が反対するのは至極当然でしょう。通信ネットワークはこれまで常に民間が牽引して作り上げてきたからです。むしろ急にアメリカ政府が出てきて関係者達は驚いているのではないでしょうか。しかし、政府が自分たちでネットワークを構築したい理由ももちろんわからないではありません。 それは、ネットワークを通した情報の傍受をより頑強なものにしたい現れです。セキュリティの欲望というのは、最終的には完全な支配の欲望です。自分の知らないことがあってはならない、また自分達の情報は知られたくない。それならばインフラを作ってしまうのが一番強いですからね。 とはいえ民間がこれまで築き上げてきたものの上に突然政府が乗っかるような形になるのは不本意でしょうし、今後当たり前ですが調整が行われることになると思われます。 通信ネットワークが要 これまでも散々言われてきていることですが、インターネットは本当に破壊的なイノベーションでした。壊した業界は両手を使っても数え切れないでしょう。郵便業界のようなものはとんでもない変化を経験しているでしょうし、軍事しかりセールスしかり昔のままでいられたものなどないでしょう。そういう意味ではIT企業という呼び方も今後は使われなくなると思われます。ITを使っていない企業など無いからです。 その中で、いまあらゆるサービスにインターネットが用いられるだけではなく、モノにインターネットを繋ぐ試みも増え続けています。いわゆるIoT≒Internet of thingsという考え方です。あらゆるもの-冷蔵庫もラジオもギターも服も椅子も何もかもインターネットに接続して相互に通信出来るようになる時代が来ます。その時の技術のあらゆる前提として無線通信が必要になる。それだけ重要な技術が5Gネットワークです。 今までよりも更にセキュリティを重視されたものになるはずです。クラッキングして利用しようとすればキッチンで火の気を無理やり起こして家を火事にすることだって容易になるからです。マネーチェックのように仮想通貨が大量に盗まれるということもあるわけですから、セキュリティの問題はIoTが生活に根ざすようになればなるほど大きなものになるでしょう。 アメリカ政府がその技術を一手に掌握したい気持ちはわかりますが、しかしそれは恐らく不可能だろうと思います。