男女平等とは何か、と考える時によくポイントに上がるのは給与や役職などの労働面の部分です。イギリスではいま強烈にこの動きが進んでいます。 オススメ記事 【1月30日 AFP】英格安航空会社イージージェット(EasyJet)は29日、ヨハン・ラングレン(Johan Lundgren)最高経営責任者(CEO)が、自身の年間給与額を女性の前CEOと同じにするため3万4000ポンド(約520万円)減らしたと発表した。男女の給料格差の是正に向けた取り組みとして、自ら減額を申し出たという。 ラングレン氏は昨年12月に就任。イージージェットの声明によると、74万ポンド(約1億1300万円)だった年間給与を、前任のキャロリン・マッコール(Carolyn McCall)氏と同水準の70万6000ポンド(約1億810万円)に自ら減額した。 欧州旅行大手TUIトラベル(TUI Travel)の副CEOから転じたラングレン氏は「イージージェットは、男女の給与も雇用機会も平等にすることに揺るぎない決意で取り組んでいる」と表明。そうした男女の平等が「会社の全従業員に当てはまり、自らの関与も示したい」との考えから、取締役会に減額を申し出たと説明した。 イージージェットはロンドン郊外にあるルートン(Luton)空港が拠点。昨年10~12月期の売上高はライバル勢の経営破たんなどが追い風となり、前年同期比約14%増と好調だった。(c)AFP via: 英格安航空CEO、年間給与を女性の前任者と同額に 520万円カット 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News いま、イギリスで動くムーブメント 日本ではまだまだ議論にもなっていない印象がありますが、イギリスでは今報酬面における男女平等を求める声がどんどん大きくなっています。今回のニュースに留まらず、イギリス放送局BBCなども最近激震が走りました。「同じ役職なのに、男性の報酬が2倍以上高い。これが是正されないなら私は戻らない」として女性編集者が退職したのです。 報酬における男女平等というのは、まだ日本では十分に議論されていないか、あるいはされていても実行に移されていないところでしょう。生理があるだの結婚があるだの様々な理由で報酬に差をつける文化が残っています。でも常識的に考えてほしいのですが、報酬というのはその時の成果に対して支払われるべきで、その後の役割のために払うものではないはずです。 ですから、同じ仕事をしていたら同じような報酬にするべきです。同じような報酬でないなら、違う仕事を違うクオリティでやっている場合に限るでしょう。そこに性別が理由になるというのは私には理解できないし、実際いま社会はそういう方向に変わろうとしています。 でも、報酬は成果に基づくべき と同時に私は今回のニュースに少し違和感を覚えています。なぜなら、BBCのケースとは明確に違うところがあるからです。BBCの場合は同じ業務内容、同じ職位の男性が倍以上の報酬をもらっていたことについての提言です。これは理解出来ます。これは納得行かないのもわかります。 しかし、今回のイージージェットの件についてはCEOは一人しかおらず比較対象がありません。前年まで務めていたCEOとの比較というのは確かにわからなくはないのですが、それは能力や業績に合わせて支払われるべきであって、もし今の社長が高い成果を出していれば高い報酬を受取る権利があるし、そうでなければ逆に前の社長よりも低い収入になっても不思議はありません。 そういう意味で、なんだか違和感がありました。形式的には平等のように見えるし男女平等に気遣っているようで、却って成果ベースの報酬という基本的な考え方を侵犯しているように思えるからです。考えすぎかもしれませんが、こういう男女平等のためのアクションというのは常に議論含みなものですね。