よく知られている所ではありますが、貧困家庭に育つと学力が伸びない。そしてそれは社会的階層をも固める。当たり前のことがデータで証明されたようです。 オススメ記事 貧しい家庭の子どもとそれ以外の家庭の子どもでは、幼少期に能力差がついてしまうようだ。日本財団は11月20日、「家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析」を発表した。 生活保護世帯の子どもとそれ以外の子どもの偏差値の推移 生活保護世帯の子どもの国語の平均偏差値は、8歳で49.6まで上昇した後、10歳で45.1まで低下し、以降40%台で推移することが明らかになった。一方、困窮していない世帯の子どもの平均偏差値は8歳の50.1から上昇を続け、14歳では53.1になる。両者の学力差は8歳以降、拡大してしまうのだ。 via: 家庭の経済状況による子どもの学力差は8歳以降に拡大 「逆転は学年が上がるほど困難になる」 経済格差が学力格差に繋がる、当たり前の事実 誰もが知っていた事実をちゃんと統計上のデータとして出した今回の調査には非常に重要な意義があると思います。お金が無いと、学力が下がる。しかも後から逆転するのはどんどん難しくなっていく。裏を返すと、貧困家庭の幼少時代の教育にしっかり介入することができれば学力格差には抵抗することが出来るということ。 これが意味していることは一つです。大学などの教育無償化をするために莫大なお金を使うくらいであれば、貧困家庭の学習に良い影響を与える施策を実行するべきだということです。高校の無償化も勿論大事だし実行する価値はあると思います。しかし、それと同じ以上に重要なのが小学校低学年からの教育支援です。 早い時期に介入すればするほどよい効果が出るのですから、高校の教育レベルを上げるとか、大学の間口を広げるといったことよりもより本質的な価値があることは明確です。こういうデータを使ってちゃんと行政は動いて欲しいですね。 教育の格差が経済の格差へ、つまり貧困は繰り返す 貧困の再生産という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、貧困は貧困を生み出します。まさに今回の事例もそれですよね。お金がないと学力が下がる。学力が下がると高校もレベルが低いところに行くことになり、また大学も良いところにいけない。あるいはそもそも大学に進学出来ない。 今は大卒の4割が非正規雇用に就く時代ですから、レベルの低い大学に行くことは無用な借金をする上で大して稼げるようになるわけでもない地獄を生み出すための仕組みになっています。このような状況を改善しなくては、お金がない事がまさにそのまま子どもに貧困を引き継ぐことになってしまうのです。 これを何とかするには、非正規雇用を減らすこと、早い段階で教育に介入すること、高卒の就職をもっとポジティブなものに変えることなどがあげられると思います。無用な大学が多すぎるのがこれらの元凶の一つですが、厄介なのは企業です。大学でやることは社会の役に立たないと言いつつ大卒を採用するのは意味不明な振る舞いですし。 格差が広がりすぎないことを心から祈ります。いつだって、格差が大きくなると社会不安が広がって、結局富裕層だって首を絞められるのですよ。