栄養を取るか、明日の生活費を取るか。毎日の選択の中ですり減っていく貧しい人達。自分の手術のために消費者金融で借金せざるを得ない困窮。苦しい生活の実態です。 オススメ記事 キイチさんは、自分が胃がんになったのは、失業してうつを患って以降、ろくな食事ができなくなったことと関係があるのではないかという疑念を捨て切れない。また、同居している女性は心臓に持病があり、医師からは塩分などを控えるよう指示されている。しばらく、医師から勧められた宅食サービスを利用したが、「1食500円以上かかるのでとても続けられませんでした」。結果、半年ほど前に心不全の発作に見舞われた。おカネか命か――。彼らの暮らしは日々、そんな究極の選択の繰り返しである。 企業による脱法行為や派遣切り、貧困ビジネス――。キイチさんの来し方から浮かび上がるのは、行政の不作為である。企業が社会保険料などの負担を避けるため、実質的な従業員を個人事業主として扱う手口は今に始まったことではない。しかし、行政が本腰を入れてこの問題の改善に乗り出したという話はついぞ聞いたことがない。また、工場など製造業への派遣は改正労働者派遣法による規制緩和で認められたが、雇い止め対策などに目が向けられることはなかった。貧困ビジネスも社会問題化して久しいが、野放し状態。彼が被害に遭ったと訴えるNPO法人は、今も厚生労働省所管の「福祉医療機構」が運営する情報サイトで入居者の募集を続けている。 via: 正社員になれなかった56歳男性の厳しい貧困 | ボクらは「貧困強制社会」を生きている | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 失業、うつ、そして胃がん 非正規雇用からの雇い止め、そして失業からのホームレスという典型的な転落人生を生きている人の話には重みがあります。どれもこれも、もしかしたら自分だって同じ状況になったらこうなってしまうのではないかと思わせるものがあります。 お金が無くなると、食べられない。それは当たり前のことでありながら、人間の尊厳に関わるような本当に重たいことです。生きていくためには食べなくてはいけない。でも、栄養が足りないと健康を損ねてしまう。この人は胃がんになってしまう。健康を取るか、貯金を削るか、そんな選択の繰り返しの中で頭が摩耗していくであろう恐怖。 思考することも嫌になっていくはず。8万円で家賃と食費を取って、レトルトのご飯を食べさせるだけの施設。貧困ビジネスここに極まれり。お金を稼ぐためなら人はなんだって出来る、弱い人ほど反抗することすら出来ない。むしりとられていく。転がり始めてしまったらもう戻ることができない、そんな恐ろしい現実を感じます。 借金漬けの生活 そして、この記事を見る限り消費者金融で30万円を借りて胃がんの手術をしたようですが、果たしてこの借金は返済出来ているのでしょうか。ちょっとむずかしいのではないかと思うのですがどうでしょうか。いまは二人の収入を合わせても13万円。ここから家賃を引いて、食費を引いてとなると、返済にあてるお金はほとんど捻出出来ないようにみえるのです。 そして今度また何か病気をしたら、もし何か急な出費があったら、もう生きていけない。そういう綱渡りの人生を送ることそれ自体がどれほどのストレスになるのか想像が出来ないほどです。貧困とは、収入の貧困だけではありません。例えば家族がいる、頼れる人がいる、困ったときに助けてくれる友人がいる、そういうセーフティーネットがないような人達のことを貧困というのです。 果たして彼らの生活を見て自己責任だと言える人がどのくらいいるというのでしょうか。個人の責任ではなく、社会の制度に責任がある。非正規雇用のような非人道的なことが許される現状は少しでも早く改善されるべきでしょう。