機械はいずれ人間の仕事をすっかり奪ってしまうだろう-そんな恐ろしい予測はいまだ現実のものにならない。一体いつになったら人間を労働から開放してくれるのだろうか、と穿った言い方すらしたくなるほどだ。 オススメ記事 昔から、労働の自動化は不安を生み出してきた。多くの人々──そのなかには米大統領ドナルド・トランプもいる──が、アマゾンを糾弾した。アマゾンが絶対的にリードするeコマース業界の成長は、従来の小売の世界を破壊し、数多くの解雇と実店舗の閉店をもたらしたからだ。 しかしアマゾンが、従業員30万人に達した最も若い米国企業であることも、また事実である。 機械を増やすと雇用も増えた 誹謗者をものともせず、ジェフ・ベゾスの企業は「eコマースの巨人」以上の存在になった。2015年以降、米国における配送拠点の数を倍増してインフラを独占し、高級自然食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」の買収[日本語版記事]により8,000億ドルの規模をもつ食料品市場に手をつけた。 2012年、アマゾンはロボティクスとオートメーションを手がける企業、Kiva Systemを7億7,500万ドルで買収[日本語版記事]している。目的は、配送センターに革命を起こすことだった。 2014年以降、「Amazon Robotics」という名前で配送センターのロボティクスを担う社内チームは、彼らの物流センターにたくさんの機械を導入した。当時、論争と批判が新聞の紙面を埋め尽くした。組合や経済学者は、倉庫の完全な自動化を優先して人間の労働をなくそうとしているアマゾンを非難した。しかし、予測とは裏腹に、アマゾンはより多くのロボットを導入することで、より多くの雇用を必要としている。 オートメーションは雇用を奪わない? アマゾンに見る「機械と労働」の本当の関係 Amazonは人を雇い続けている これは非常に面白い記事ですね。散々世界中で恐れられている「機械が人間の仕事を奪うのではないか」という不安に対して「むしろ人間も雇いまくっている」と言うのです。実際、Amazonはものすごい数の人間を雇っているし、ロボットが増えたときも同じくらいの割合で人間を増やしているようです。 これほど大きな企業ですらそうなのですから、今後の様々な企業がロボットを導入したとしても結局人間の仕事というのはいつまでもなくならないのかもしれません。 そんなわけがない と、こんな夢物語が現実になればよいのですがそんな訳はありません。なぜなら、Amazon自身が実は肉体労働者向けに教育プログラムを提供しているのです。この先この仕事は無くなってしまうので、転職に備えてプログラミングや数学をやった方がいいよということです。企業の社会的責任をしっかり果たしているわけですが、だからといっていつまでも人間を雇い続けるなんてデマが流れるのは大問題でしょう。 実際のところ、いま増えている雇用というのもほとんどが肉体労働者。要するに箱詰めの仕事です。いまAmazonはどんどん規模を拡大してる最中ですから、そりゃいまの状況だとそのためにたくさん人を雇わなくちゃいけないのは当然です。 問題は、人を雇わなくても良いようなシステムが構築されたときなのです。いまは良いですが、いずれ必ずそういうシステムを作るはずです。いまロボットと人の雇用の割合が同じくらいで進んでいるなら、早晩ロボットの方が割合として大きくなるでしょう。だって0から始まったロボット導入がいまや人間の雇用スピードと同じになっているのだから。 そうして箱詰めなんかも自分で出来るようになったとき、もはやAmazonの倉庫は人間を必要としなくなるのです。それまでの間、人間は働けますがその後はもちろんAmazonの倉庫では働けません。 だからこそ、この人達にちゃんと教育プログラムを提供しているAmazonは偉いのですけれど。 これからの労働 そう、これからの労働はどんどん肉体労働ではなくなっていきます。もちろん0にはなりませんが、素晴らしい大企業ほどロボットを使って人件費を浮かせ、その分を優秀な人材に振り分けるでしょう。優秀な人材とはAIやロボティクスに精通しており、マーケットに対して適切な行動が出来る人ーつまり高度ITビジネス人材です。 それ以外の人間の仕事が今後減っていくことはほぼ間違いがないので、本当に恐ろしいことです。