「豚野郎を告発」という強い口調のハッシュタグがフランスで盛り上がっています。ハリウッドのセクハラ問題と呼応していますが、しかし国の文化としての口説きはなくなりそうもなさそうです。 オススメ記事 インターネット上では、ハッシュタグ#MeTooが拡散される以前から、#balancetonporc (豚野郎を密告)というさらに露骨なフランス語版告発用ハッシュタグが出現しており、匿名でアカウントを作成する女性が続出。性的暴行を加えたとされる男性の名が、かつてないほど赤裸々に公開される事態となった。このような投稿は数十万件にものぼり、フランスの文化界や政界、ビジネス界に蔓延する性差別と女性搾取が取り沙汰され、このままフランスがハラスメントに対する戦いの先頭を走るかとも思われた。 しかし現時点では、ドン・ファン的な考え方がまだ主流のようだ。 告発を受けた男性の中には、フランス政府の元大臣、青年社会主義運動(Young Socialists Movement)の元代表、ニュース番組の元編集者、世界的に有名なスタートアップスクールのメンバーなどもいるが、その大半が告発内容を否定している。そればかりでなく、フランスの有力者らは、告発を受けたところで誰ひとりとして職や名声を失うことはなかった。 哲学者のベルナール・アンリ・レヴィ氏は、セクハラの加害者として告発された人たちが、豚とまで言われるのは酷すぎると言い、インターネット上の告発運動を批判した。またフランスの「口説き」文化の擁護派からは、厳格になりすぎてアメリカのように清教徒的で過剰な反応をすれば、恋愛がまるで悪魔の所業のように見なされてしまうと警告する声もあがっている。 via NEWSPHERE「「口説き」とセクハラの境界線はどこ? 愛の国フランスで議論紛糾」 プライベートと仕事の切り分け フランスはイタリアと同じく、ラテンの文化。よく言われる話ですが、不倫上等スキャンダルもなんのその、政治家が例え愛人がいようと隠し子がいようと失脚したりはしない社会です。これは日本との大きな違いですが、その根本的な価値観の一つは「プライベートはその人の仕事の業績に影響しない」というものです。 これはある意味で良い部分もありますね。日本の政治化だと不倫なんかしたときには物凄いバッシングを受け、メディアもそればかりを報道するようになり非常に馬鹿らしいことになるのですが、そういうこととは一切無縁。あくまで政治力が求められます。それはアーティストなんかも同様のようです。 ハリウッドもいまセクハラ問題で荒れに荒れているわけですが、フランスではそれも関係ないようで13歳の少女にシャンパンと薬を飲ませて性的暴行をした男が名誉ある賞の審査委員長を務めたりもしているようです。が、私はこれだけは納得出来ません。 犯罪は犯罪だろ 不倫はわかりますよ。不倫は刑法上の罪ではありませんから、それと仕事の評価とを一緒にするのは良くないと思います。しかし犯罪は別です。犯罪であれば捕まるべきだし、逮捕されれば当然仕事もできなくなる。これだけは一線として引かなくちゃいけないところでしょう。フェミニズムとかそういう話でもありません。悪いことをしたら捕まるべきです。 欧米だからってなんでも追従したらいいわけではない しかしこういうのを見ると、改めて欧米とか欧州っていう括りがいかに大きすぎるかがよくわかりますね。欧州といったって、ポーランドのようなガチガチの国粋的国家もあれば、フランスのようにおおらかでなんでもありな国もあり、かと思えばドイツのような国もある。イギリスだって同じ欧州。簡単にまとめて何かを知った気になるのは危険なことだと教えてくれます。 私が欧州の大学にいた頃も、それぞれの国同士がまさに日本で「関西人は笑いを取りに来る」とか「東北人は美人が多い」とかそんなようなことを、国単位でよく留学生同士で話していました。オランダ人はマナーが悪いんだ、と言ってオランダ人が机に靴を履いたまま足を載せていることに怒ったり、ピザを食べる時にフランス人はナイフとフォークを使うらしいと(つまりお上品だ)とネタにされていたりということがよくありました。 でも、実際中に入ってみないとなんでも同じように見えてしまうのは私がAKB48のメンバーを1人も識別出来ないこととほとんど同じことなので誰かを批判するというのは難しいものですね。