親の精神状態が子どもに影響する。そんな当たり前のことを考えれば、震災の後の家族がどうなるのかというのは多少なり予想がつきますが、想像以上に苦しい現状のようです。 オススメ記事 いわてこどもケアセンターの八木淳子副センター長ら研究班が岩手、宮城、福島の3県で、東日本大震災直後に生まれた子と保護者約230組を対象に行った調査で、保護者の約35%が精神的不調を抱えていることが11日、分かった。盛岡市内で開いたシンポジウムで明らかにした。震災から同日で6年8カ月。調査では保護者の精神的不調が子の発達に影響することも指摘され、関係者は長期的支援の必要性を訴えている。 シンポジウムには教員や児童福祉司ら約90人が出席。震災後に生まれた子とその家族への支援に関する研究の代表を務める児童精神科医の八木副センター長と、宮城県、福島県で心のケアに携わる研究班の児童精神科医らが登壇した。 三重大教育学部の松浦直己教授が2016年度の調査について報告。3県で約230組の親子を対象に、子の発達や保護者のメンタルヘルスなどを調べた。 精神科医や臨床心理士が保護者に面接したところ、3県で約35%がうつやアルコールなどの問題を抱えていた。本県では宮古市以南の沿岸4市2町と盛岡、矢巾、紫波の1市2町で実施。全体では約40%が問題を抱え、内陸部より沿岸部の割合が高かった。 via: 親の35%が精神的不調 震災直後に生まれた子の家庭 データが伝える悲しい現実 データというのは感情が入らず、ただ事実を突きつけてきます。良いこともあれば、当然悪いこともある。今回のデータは非常に苦しいものですね。震災で心の傷を受けるのは子どもだけではない。大人もまた癒えない傷を抱える。そしてそれは子どもにも影響する。 子どもが覚える全てのことは、最初親との関係の中にだけ存在しています。泣いたら来てくれることによる安心感、言葉のイントネーション、怪我した時に「痛かったね」と言われて感情に名前がつくこと、そんなすべてのことがそうです。そしてそこに暴力が、アルコールが、借金や精神的不安が介在すれば、それごと吸収していきます。 今回のデータが示すのは、そのような不安や精神的不調を抱える親が実に35%にも登るということ。片方の親でも精神的不調を抱えていれば子どもに影響することを考えると、相当数の子どもにネガティブな影響を与えることはほとんど間違いないでしょう。 スティグマにしない しかし、だからといって彼らが子どもを産んではいけないとか、親としての資格がないだとかそういう話ではないし、そういう話にしてはならないでしょう。大事なのはそういう状況にいる親が多いことをデータとして理解した上で、そこで生じうる不幸な自体にどうやって予防策を講じられたり、起きてしまった被害を軽減することが出来るかでしょう。 精神的不調に対して受ける子どもの影響について、何らかの家族への支援、子どもに対する特別支援などはすぐに行うことが出来るものの1つ。復旧が進んできたとはいえ、人の心までは決して元には戻らないわけですから、そのための特別なサポートが必要でしょう。最初は物質的、その後は精神的なサポートになるのはあらゆる災害の基本的なスタンスのはず。 東北震災、原発の問題、最近では全然報じられなくなった様々なトピックでいまもなお苦しんでいる人達がいることを忘れてしまわないようにしたいですね。