日本と核というのは、他のどの国とも違う形で繋がる2つの単語です。そこには核爆弾被害国という関係性もあり、原子力発電と福島という関係性もある。それでもなお石破茂が核兵器を持つ技術を維持すべきだという理由はなんなのでしょうか。 オススメ記事 自民党の石破元幹事長は東京都内で講演し、日本が核兵器を保有すべきだという立場ではないとする一方で、製造できる技術は持つべきだという考えを示しました。 続きを読む この中で自民党の石破元幹事長は原子力政策について「原発はいっぺんにゼロということにはならないし、原発をいま止めても危険性はある程度残る。核についての知識があると、いかに核から身を守るかという知識も生まれるので、原発を今すぐゼロにするのは全然賛成していない」と述べました。 そのうえで「日本の場合は、北朝鮮であれ、中国であれ、アメリカであれ、ロシアであれ、周りが全部核保有国だ。私は核兵器を持つべきだという立場には立っていないが、その気になったら核兵器を作ることができるという技術は、日本は持っておくべきだ」と述べました。 via: 自民 石破氏「核兵器を作ることができる技術は持つべき」 | NHKニュース 日本と核(原子力) 日本ほど、核あるいは原子力と深いゆかりのある国もないと言えるのではないでしょうか。しかもポジティブな意味ではなく、まさしくネガティブな意味を持って。1945年に原爆を軍事目的で受けた日本。ピカドンと呼ばれ、いまも原爆の後遺症に苦しむ人たちがいます。 はだしのゲンに代表されるような原爆文学も存在しており、それは他のどんな国も書くことの出来ない凄惨な歴史の上に積み重ねられた負の文化遺産です。ダークツーリズムという言葉があります。それは「人類の負の遺産を忘れないようにするための観光施設」に行くことで、アウシュビッツなどもその代表例だと言えます。 日本にはいま、原爆資料館のようなダークツーリズムが存在しており、いまも広島や長崎には多くの観光客が訪れます。そこにあった悲しく痛ましい記憶を決して忘れないためです。そして今やそれは福島も同様になっています。 恐ろしい津波と原発事故は、どれほどの被害があるのかまだ正確に測定出来ていないとも言われています。そんな中、原発は再稼働を始め日本のエネルギーは原子力によっていまだ賄われているのです。これについては感情的にも受け入れられない人が少なくないのではないでしょうか。 核兵器を作る技術 このような状況をもちろん知っている石破氏はなぜこのような核兵器を作る技術を持つべきなどというのか。感情的に見たら許せないような発言にも見えますが、決して簡単な話ではありません。核兵器を作るというのはつまり、原子力をコントロールして自分たちに利益がある形で活用するための技術の1つだといえます。 原発のより安全な運用にも繋がるような基礎研究や応用研究もそこには含まれるでしょうし、同時に外敵から核爆弾によって攻撃されたときの防御や避難のためにも用いられるであろう知見を得ることができます。恐れて目をそらして何も無いかのように振る舞うよりも、今までの傷を決して無駄な痛みにするのではなく、今後の未来のためになんとか教訓を得て前に進もうという態度なわけです。 原子力は怖いからと日本の3割以上のエネルギーを賄っている原発を急に止めることはできない。技術の進歩に伴い他のエネルギーに代替出来るまでは、いまある原発をいかに安全に運用するかが極めて重要。そのための技術ならば絶対に育てていくべきだろうと思います。