1: ばーど ★ 2017/07/25 12:48:40.88 ID:CAP_USER9.net部活指導のあり方が問題となっている。長すぎる練習時間や少なすぎる休養日など、課題を是正するため、スポーツ庁は総合的なガイドラインづくりに取り組み始めた。 具体的に先生はどのような状況なのか。部活動の問題を研究してきた名古屋大学の内田良・准教授に寄稿してもらった。 ■試合では「早く負けてほしい」 部活動指導の負担を嘆く教員の声のなかで、私がもっとも衝撃だったのは、試合に「早く負けてほしい」という発言である。大会で一生懸命声をあげている指導者が、心の奥では「早く負けてくれ。休みたいんだ」などと思っていようとは……。 私にとってこれが衝撃だったのは、まさにそうした考え方が学校文化のタブーだからである。率直に考えれば、教育者としての素質を疑われるかもしれない。 私の目から見ればその先生は、本当に生徒思いでユーモアもあって、包容力がある、素敵な先生である。逆に言えば、それほどに生徒思いの先生でさえ、大会で頑張っている生徒を前にして「早く負けてほしい」と思ってしまうほどに、先生たちは追い詰められている。 ■10年間で大幅増の部活動指導時間 図1 各種業務における勤務時間の増減(平日/休日) ※文部科学省「教員勤務実態調査」の速報値(2017年4月公開)をもとに筆者が作図 2017年4月に公開された文部科学省による10年ぶりの「教員勤務実態調査」(小中学校の教員対象)の結果(速報値)は、部活動の過熱ぶりを浮き彫りにした。 勤務時間全体についていうと、中学校教諭の場合、前回調査の2006年度と比較して2016年度には、平日一日あたりで32分、休日一日あたりで109分、勤務時間が増えている。 そして中学校の各種業務内容のなかで突出して増加したのが、中学校の休日における「部活動」である。休日の一日あたりで、64分もの増加である【図1】。 教員の働き方改革のなかでも、部活動のあり方の改善は、最優先事項であると言える。 ■「自主的な活動」が強制されている 図2 教員全員で部活動指導に当たっている中学校の割合 ※スポーツ庁「平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書」(2016年12月公開)をもとに筆者が作図 そもそも部活動は授業とは異なり、教員の本来業務ではない。だから、学生時代に大学で部活動の指導方法を学ぶこともない。そして、部活動はその多くが教員にとって所定勤務時間外の活動である。だが教員は法制度上、残業ができない。 つまり建前としては、部活動は教員の「自主的な活動」に位置づけられる。だが現実には、教員は全員で部活動を指導することが慣例となっている。 実際に2016年度のスポーツ庁による全国調査では、じつに87.5%の中学校で教員全員による指導体制がとられている。希望制としているのは、たったの5.3%である【図2】。「自主的な活動」とは名ばかりである。 指導の強制にくわえて、平日の夕刻(ときには早朝も)とさらには土日と、所定勤務時間を超えた部活動指導が当たり前になっている。そして平日残業代なし、土日も上限数千円の手当がつくだけである。 しかも、当の競技や活動が未経験であっても、そこに巻き込まれる。今日の部活動が「ブラック部活動」と総称されるのも、もっともである。 >>2以降に続く 配信 2017.07.25 11:30 THE PAGE https://thepage.jp/detail/20170724-00000010-wordleaf?pattern=2&utm_expid=90592221-74.59YB6KxJS6-oVPGhgabD7Q.2&utm_referrer=https%3A%2F%2Fthepage.jp%2F2: ばーど ★ 2017/07/25 12:49:03.56 ID:CAP_USER9.net>>1 続き ■先生の嘆きは「タブー」 教員における部活動負担の問題は、これまで部活動関連の議論から漏れ落ちてきた。部活動の問題点はこれまで、生徒の側の被害や損害、たとえば顧問からの暴力(いわゆる「体罰」)、過酷な練習とそれによる事故(熱中症や負傷・障害など)、生徒間のいじめなどの話題が中心であった。 このときの構図では常に、生徒は被害者で、教員や学校は加害者に位置づけられていた。被害者である生徒の立場から部活動を問題視することはできても、加害者とされる教員の側から不満を訴えることは教育界のタブーであった。 しかも学校では、「部活動を指導してこそ一人前」という教員文化が支配的だ。部活動を重荷に感じる教員の苦しみや嘆きは、なかなか表に出にくい。嘆こうものなら、「教師失格」と言われかねない。部活動指導を嘆くことは、長らく職員室のタブーであった。 ■ネット空間で先生たちが立ち上がった では、なぜ部活動の実態が明らかになってきたのか。教育界や職員室のタブーを打ち壊して、教員側の声を拾いあげたのは、インターネット空間であった。 教育界や職員室では「部活がつらい」と言えなくても、匿名のTwitterであれば、声を発することができる。 部活動の改善を目指す団体「部活問題対策プロジェクト」(2015年12月設立、教員6名で構成)の一員である「ゆうけん」先生は、「部活問題が社会問題として世に出るようになった最大のきっかけはTwitter」(ブログ「部活動のあり方はおかしい!」より)と振り返る。 Twitterでいざ声を発してみると、同じ思いをもっている人が意外とたくさんいることに気づく。そして先生たちが一人ひとりつながりながら、輪が大きくなっていった。 部活動改革を目指す新たな連携である「部活改革ネットワーク」(2017年4月設立、教員約60名から成る)は、まさにTwitterを活動基盤にしている。匿名の教員が地域を越えてつながり、部活動改革のための知恵と戦略を共有している。 ■部活動改革に向け教員ができることとは 教員向けの講演会で私が受ける定番の質問は、「私たち一教員に何ができるでしょうか」である。改革の気運が高まるなかで、自分に何ができるのかと先生たちが問いかけてくる。 そのとき私はいつも「インターネット環境があれば、ぜひTwitter やFacebookに登録をして、ほんの一言つぶやいてみたり、リツイートしたり、『いいね』ボタンを押したりしてみてください」と伝えている。 たとえば、Twitterで誰かがつぶやいたとき、そのつぶやきに対して「リツイート」をワンクリックするだけでよい。そこでリツイート数が一つ増え、またあなたのフォロワーにもその情報が伝わり、その結果さらにリツイート数が増えていく。 その「数」を見て、今度はマスコミやウェブメディアが関心をもち始める。そしてときに、記事を出してくれる。今度はその記事を私たちが、(自分の意見を交えずとも)ツイートすれば、記者は手応えを感じ、さらにその問題に関心をもってくれる。 改革とは、そんなに大げさなことではない。その方法は、意外と簡単で身近なところにある。 終り 続きを読む