1: 名無しさん 2017/06/26(月) 23:00:52.33 ID:DTO7WTVj0 アタシこと、城ヶ崎美嘉は迷っていた。 とめどなく流れる汗。呼吸は荒く、心臓がバクバクと脈打っているのが分かる。昔、同じような感覚を経験したことがあるのを思い出す。確かあの時は、髪を染めようと思って、いつも行く美容室に足を運んでいた時だったっけ。 言うならば、「悪いことをする」時の、何とも言えない緊張感。 明日、学校の先生に何か言われるかな? 友達からの反応はどうだろう? 目立つ色にしちゃって、引かれちゃったりしないかな? そうやって迷って、最終的にアタシは髪を染めた。先生には少し注意されちゃったけど、友達からは好評で、結果、その時染めた髪の色は今でも変わっていない。 でも、今回はそんな簡単にいくものじゃないし、行動を起こしてしまったらどうなってしまうのか予想もつかない。 もし、彼が。途中で起きてしまったら? アタシに失望してしまったら? あるいは――襲われてしまったら? 色々な想像を誤魔化すように、ごくりとつばを飲み込む。静かで穏やかな空間に、その音が聞こえてしまうような気がして、アタシは殊更に緊張感が高まっていくのを感じていた。 こうなったきっかけは少し前に遡る。 引用元: ・美嘉「どうしよ……」 続きを読む