【その6】 647: おさかなくわえた名無しさん 02/12/02 01:34 ID:qeOxcYbjついてしまった嘘を、墓場まで持っていこうとおもう。 祖父の代までは医師ばかりの家系だったのに、母の代から誰も医学部に入らなくなってしまった我が家。私の姉・兄も全滅だったので、私が最後の頼みの綱として、2浪もさせてもらった。 なのに、3浪目決定の日をむかえてしまった。 あの日、親に今年も落ちたとは言えずに、つい「受かってた・・」と大嘘をついてしまった。 言ったとたん母親のはしゃぎ様が異様だったので「ヤバイ!」と思ったが、家に帰ってから素直に謝ろうと思い、帰路についた。が、1時間後家に着いたら、親戚中が集まっちゃってて祝いの大騒ぎで、家の中が大変な事になっていた。 見ると、近所に住む小中高の友人達まで一緒にお祝いしてくれていた。今更嘘でしたとはどうにも言えなくなってしまい、そのまま部屋に行き、荷物と預金通帳を纏め、家出した。 知り合いの居ない、行った事も無い田舎町まで逃げて、そこで風呂なし3畳家賃1万の部屋を見つけた。 大家さんには正直に事情を説明して、その部屋を1年間身元保証無しで貸していただき、親元に「1年だけまっていてください」と手紙を書き送り、皆についてしまった嘘を悔いて恥じて、その日から352日間を知らない町の暖房も冷房も無い部屋で猛烈に勉強をした。 春も夏も無く、誰とも話さず、携帯もPCも音楽も無く、毎日毎日勉強だけの毎日を過ごした。 嘘をついてしまい、それを成就させるためにあんな苦労をした自分を大バカ者だと思うけれど、そのお陰で念願の医学部に入学できた。しかも、受かったと嘘をついた大学よりもレベルの高い大学に・・。 それが功を奏したようで、周りは「もっと上を狙いたいから黙って家出してまで再受験したんだね!」と良いように誤解してくれて、「でかした!偉い!」とめっぽう誉められてしまった。 でも、嘘をついた自分はまだ嘘つきのまま。なのに事を明かせない自分を軽蔑している。 続きを読む