NIKE “BENASSI”(編集部私物) 日刊SPA! いま男女を問わず、オシャレな若者たちに“便所サンダル”が流行っているのだという。もちろん、ファッション用語として定義があるわけではないが、脱ぎ履きが簡単で便所に置かれていることが多いものを私たちは便所サンダルと呼んでいる。そう、学校や公共施設のトイレにあるアレ(笑)。 実際にInstagramやWEARなどのSNSで「#便所サンダル」と検索してみれば、多くのファッションキッズたちがオシャレなコーディネートで投稿している画像を見ることができる。いまファッション界に何が起きているのか。スタイリストや専門誌ライターなどから探ってみた。 ◆若者に“便所サンダル”が流行しているナゾを追う メンズストリート誌などで活動してきたライターA氏がこのように証言する。 「じつは、すでに3~4年前から一部では流行っていました。感度の高いセレクトショップの店員が、バスケットボールパンツなどに便所サンダルを合わせたリラックスコーデで夏のストリートスナップに登場することもありました。やっぱり、なんというか……最初は驚きましたけど(笑)」 ショップ店員のスナップ撮影では、なるべく商品のスニーカーを地面で汚さないために、撮影の直前まではサンダルを履いていることが多い。しかし、ショップ店員は本番の撮影が始まってもサンダルのままだった。 「念のため『足元はそのサンダルで大丈夫ですか?』と聞いたのですが、『コレがオシャレなんだよ!』って軽く怒られたことを覚えています。当時は少し違和感があったのですが、ココまで流行ってしまうと普通にファッショナブルに見えるから不思議ですよね。今季は、ABCマートや一般的な量販店でもナイキの“ベナッシ”などのサンダルが様々なカラバリでプッシュされていたりします」 では、着こなしのプロであるスタイリストはこの現象をどう見るのか。雑誌を中心にメンズ&レディースの両方でスタイリストを務める吉田圭佑氏に便所サンダル事情を聞いてみた。 「えっと、便所サンダル……“シャワーサンダル”ですかね(笑)。数年前から雑誌の夏小物特集では、アディダスの“アディレッタ”をはじめ、各ショップからリースすることもありました」 なんと、おじさん的には便所サンダルでも、ファッション界隈ではシャワーサンダルと呼ぶらしい。では、オシャレに履きこなすには、どのように合わせるのが正解なのだろうか。 「夏らしさの演出には、やっぱりハーフパンツが好相性。今っぽくするのであれば、トレンドのワイドパンツなど、ルーズなシルエットのパンツを合わせるのも程よいヌケ感が出てオススメです。シャカやスイコックなどのアウトドア系サンダルが流行っていますが、少々値は張る。一方で、シャワーサンダルは安価なうえに丈夫。水に濡れても問題ないので、クロックス的なノリで海や川、フェスなどに出掛ける人も増えているのでは」 また、シャワーサンダルは、ルイ・ヴィトンやヴェルサーチなどのハイブランドでも展開されているらしい。もちろん、お値段は数万円だが……。 吉田氏からは「アウトドアやフェスなどに履いていく人が増えている」という言葉が見受けられた。そこで、『GO OUT』などのアウトドアファッション雑誌で活動するライター金井幸男氏にもその背景を聞いてみた。 「テバやチャコに代表される、複数のストラップによって足とソールをしっかりフィット&ホールドさせる“スポーツサンダル”が、長年アウトドアフリークの定番だった。おじさん世代のなかには、’90年代にミックスソックスと合わせるのが流行ったのを覚えている人も多いのでは」 金井氏は「いまアウトドアフリークの定番がスポーツサンダルから便所サンダルにシフトしつつある」のだという。その理由をこう分析する。 「ここ数年での90’sカルチャーのリバイバルと昨今のアウトドアブームが重なり、去年あたりからスポーツサンダルのタウン化(街でも履くこと)が進行しました。たしかに、気楽なうえに履き心地まで良い優秀なモデルですが、着脱のたびにストラップを操作するのが面倒。しかも、サンダルにしてはハイプライスときています。そこで浮上したのが“便所サンダル”なのかもしれません」 とはいえ、便所サンダル以外にも選択肢はあったはずだ。どういうことなのか。 「ビーチサンダルよりフィット感やクッション性に優れ、足入れだってラクラク。なによりスポーツサンダル=アウトドア・フェス、ビーチサンダル=サーフィンみたいな主張がない。ノンポリシーな存在だからこそ、キメ過ぎを防ぐ“ハズし”としてダイレクトに効くわけです。現代のファッションキッズはラグジュアリーブランドとスポーツウェアをミックスするような、極端で、ある種あざとい『別にカッコつけてないし』的なスタイルを好みます。決してデザイン性に優れているとは言えない便所サンダルは、彼らにとって“狙ってない感”や“日常感”を醸し出す、絶好のアイテムなのでしょう」 ◆今年の夏はおじさんの足元が輝けるチャンス!? ファッション関係者への取材で、トレンドに至るまでの背景が見えてきた。もう便所サンダルと侮るなかれ。 現在は様々なブランドからカラバリ豊富に展開されているらしい。裏を返せば、それだけニーズがあるということだ。オシャレなタイプはもちろん、SNS上では「リアルな便所サンダルを愛用している」という声まで見られたが(笑)。 特筆すべきは、なんといっても価格帯だ。いわゆる便所サンダルは1000円以下。ナイキやアディダスのシャワーサンダルでも3000円程度で購入可能である。なんとかお小遣いからも捻出できそう。 今年の夏は、普段のなにげないおじさんコーデが若者たちにも輝いて見える……かも!? <取材・文/藤井敦年> (出典 news.nicovideo.jp) <このニュースへのネットの反応> 続きを読む