シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド作者: 吉岡友治出版社/メーカー: 草思社発売日: 2015/01/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 印象に残ったこと 抽象的な内容も登場人物と行動の形に整理する。誰が何をしたか? 論理的文章では「そして」を使う必要はほぼない。英語の論文作法でもandを冒頭に置くな、付け加えをしたい時はmoreover,in additionなどを使えと言われる。 meta-dicource(自己解説)は必要ない。私は~と考える、I think that...など。法律系論文では「・・・と私は考える」「思うに・・・」などの表現をするように教えられる慣行があるが、意味的に考えればほとんど機能しない表現。 結論に使われる接続語はしたがって、それゆえに、だから、このように、こうして、結局など因果や結果を表す接続語になるはず。「また」などの添加の接続語は使えないはず。最終段落で「また」が出てくる論文は構成がダメだと読む前に判断できる。 論理の本質は言い換え。 共有された前提から始めて、新しい内容に導くのが論理的な文章の基本。ある段落又は文の最後に出てきた情報は、次の段落または文の冒頭で繰り返される。既知から未知への連鎖を作る。 段落は言いたいこと(ポイント)と細部の情報(サポート)で構成する。 随筆いわゆるエッセイは自分の体験に基づいて感じたことを述べ、それを一般化して人生や社会に対する考察につなげる。 制限字数が少ない時、「第一に、第二に」と列挙する書き方は推奨できない。根拠を列挙する書き方はピーコック(孔雀)型という。それに対して理由に対する根拠を次々と展開していくのをスネーク型という。うまく展開できている文章では類義語が辿れて、全体のまとまり感を強調している。 論文の全体構造は「問題+解決+根拠」。よくわからない文章が出てきたら、まず「問題はどこか?」次に「解決はどこにあるか?」と探す。論理的な文章の要約は問題と解決を抜き出せばいい。 問題の形は疑問(~か?)・対立(Aは・・・と言うが、Bは・・・と言う)・矛盾(AならばBのはずなのに、Bにはならない)の3つ。 問題の重要性をアピールする方法は問題化するメリットを強調することとその問題を放置することのデメリットに言及すること。 論理的な文章で解決を書く場合は、「~である」「~だ」と断定の形を使うのが基本。~ではないだろうか?のような修辞疑問文は避けなければならない。 読者を納得させるためには根拠が必要。根拠は理由・説明・例示(データ)の3つ。 理由reasonは大雑把な考え方(なぜならば~だからです)。それを説明warrantで詳しく論理的に言い換え、具体的な数値や事実をあげて実証していく。これを証拠evidenceという。reasonやwarrantだけでは机上の空論になるかもしれないので、実際に起こったことを元にして正しさを表明する。 誰に主張を語るかによって根拠も変わる。 例示で書かれる内容は、理由・説明で展開した内容と一対一に対応する。理由・説明にある要素はすべて例示の中でも確認できる。例示であることを示す接続語は例えば、実際、~によれば。 結論は言いたいことをまとめて言うところだから基本的には解決を繰り返せばいい。 他の意見に賛成する場合、要約+賛成+例示+補足・修正のかたちを取る。反対する場合は、要約+反対+根拠+反駁の予想+反駁。 データは人為的に作られるものであり、そのプロセスをわからないと利用できない。統計に表れない暗数が膨大にある。したがって根拠やデータを示せば、議論が正当化されるわけではない。 相手の使った議論をわざと利用して、相手にとって都合の悪い結果を導き出す方法は論破と呼ばれる。 雑感 ぶっちゃけ、読むのに苦労した・・・。個人的に難しい内容だった・・・。 既知から未知への連鎖を作ることによって大学入試などで出題される文章並び替え問題に対応できるようだ。 論理的な文章を書く上で型みたいなものがわかっただけでも収穫かな。