2018年ロシアW杯アジア最終予選で4試合連続でゴールを決めた原口元気(25)。あの不世出のストライカー釜本邦茂も、キング三浦カズもなし得なかった「最終予選4連発男」は、ハリルホジッチ日本代表監督の救世主としての地位を確保したと言っていい。 ドイツ3年目を迎えた今季は所属ヘルタ・ベルリンで開幕からリーグ9戦フル出場。ところが「10節くらいまではものすごく良い感触でプレーできていたが、日本代表のサウジアラビア戦(2016年11月15日)以降、パフォーマンスがあまり良くない」と自身も認める通り、出場時間が減少して12月11日のブレーメン戦(14節)は今季初の出番なしに終わり、16年最後のダルムシュタット戦(22日=16節)は後半46分からの交代出場だった。12月8日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)リヨンーセビリア戦を皮切りに日本代表欧州組の現地取材に出向いたサッカージャーナリストの元川悦子氏が、かねて取材を続けていた原口の「今」に迫った。 ◇ ◇ ◇ 横浜MのMF中村俊輔やドルトムントMF香川真司を引き合いに出すまでもなく、欧州でプレーする日本代表選手は、長い距離を往復しながら所属クラブ、日本代表を掛け持ちすることで肉体的疲労に直面し、パフォーマンスの低下を招くことがある。 しかし、原口は「俺の場合はそこじゃない」と言い切る。彼が思う最大の要因は「メンタル的な疲れ」だという。 「ブンデスリーガの開幕戦とか日本代表戦の大事な試合のように100%のモチベーションですべての試合をこなすのは不可能。もちろん、どんな試合も勝ちたくて『やるぞ!』って気持ちでいるけど、やっぱりどこか違う部分がある。自分みたいにハードに戦うタイプの選手は、もっとメンタル面を充実させないとやっていけない。そこがちょっとでも低下するとうまくいかなくなる」と難しい現状を吐露した。 ■精神面でのブレがあってはダメ どんなトップアスリートでも、試合が続けば研ぎ澄まされた感性は薄れがちになる。だが、真の世界トップに到達したければ、精神的なブレがあってはダメ。原口もそれをよく理解している。 「自分は上に行きたくて仕方ないし、結果を残したくて仕方ないが、どうしても『メンタル的な疲れ』はある。どう克服するか? たとえば(スペインの)レアル・マドリードやバルセロナ、(ドイツの)バイエルン・ミュンヘンとかのトップ選手は(精神的な)ムラがないと思う。技術、フィジカル的な部分はもちろん、どんな試合でもモチベーションが失われていない。あれだけ成功を勝ち取った選手たちが毎試合、もの凄い高いモチベーションを維持してプレーできるところに成功の秘訣があるのかな」と彼はしみじみと語った。 原口自身、そんな高みに到達するチャンスを虎視眈々と狙っている。 2014年5月にヘルタに移籍した後、筑波大学の谷川聡准教授について肉体改造に取り組み、走る、止まる――といった基本的な部分の改善にも努めた。地道な努力と意識の高さが、代表でのブレークにつながった。 日本国内では「新世代のスター」扱いされ、評価も急上昇している。 しかし、原口本人は「今は正直、日本代表のことはいい。別物だし、ここ(ヘルタ)で結果を出さない限り、俺の目指すところにはたどり着けないんで」と言い切る。 「自分が一番大切にしてるのは、チームの監督と代表監督がどう評価してくれているか? それから自分自身の達成感。この3つが大切なんで、それ以外の周りからの評価は、ポジティブなものにもネガティブなものにも影響を受けないようにしている」と語り、クラブでの苦境打開を最優先課題と位置付けている。 そのためにも「今季リーグ無得点」という壁を越えることが先決だ。 ヘルタでは1年目が1点。2年目は2点。ゴール量産という思いはかなっていない。 「欧州でコンスタントに10点取れる選手になりたい」という理想像を描く原口には、この数字は不満以外の何物でもないだろう。 ■原口本人の口から移籍の可能性が 「日本代表はボールを触る回数もシュートチャンスも多いので必然的にテンションが上がるんだけど、(相手ゴールから遠いところでプレーしている)ヘルタではどうしようもない部分。今の環境で10点は難しい。でも、ヘルタにはヘルタのサッカーがあるし、それは変えられないから。ヘルタで凄く成長させてもらったけど、まだまだ伸ばせる部分もあると思うし、ここでは伸ばせない部分があるのも確か。だからステップアップも選択肢の一つ。国内外問わず、考えてはいます」と彼は移籍の可能性を口にした。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161230-00000008-nkgendai-socc 引用元: http://hayabusa8.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1483093400/ 続きを読む