ポケット版 弁護士の論理的な会話術作者: 谷原誠出版社/メーカー: あさ出版発売日: 2010/06/22メディア: 新書購入: 9人 クリック: 24回この商品を含むブログ (1件) を見る 印象に残ったこと そもそも式論法。①ルール(そもそも)→②事実(ところで)→③結論(だとするならば)。そもそも式論法を使って他人と議論する時は①の大前提を相手に認めさせるために質問の形にするとより効果的。 裁判で公知の事実という概念がある。民事裁判では立証責任が定められているが、公知の事実は立証する必要はない。一般的に常識だと考えられている領域まで理由の説明が済んだにも関わらず、相手がさらにその理由を追求してきたら、今度は相手の立場を明らかにし、理由を論ずる番だと宣言する。 司法試験の論文の骨子はだいたい「①問題提起②結論③理由付け④事例への当てはめ」という構成。 原告が引用する判例に反対する場合、「本件の場合には当てはまらない。本件では~という事情であるの対し、判例の事案は~という事情であり状況が異なる。さらに判例があげる要件も本件では認められない。」といった感じで主張する。 法律の世界ではある議論をする際に、問題となっている言葉の定義を明確にしてから議論をする。 相手の主張にはほとんどの場合、その主張を拠り所としている価値観があるので、議論になった際にはその価値観に反論すればいい。 反対意見の内容を予想して、反論しておく。 司法研修所で要件事実を学ぶ。これは民事裁判において法律上の主張をするためにはどのような事実を主張・立証しなければならないかを学ぶもの。この要件事実の勉強こそが論理的思考力を磨き、議論を強くする考え方。 裁判で誤導尋問は禁止。裁判で行われると弁護士は異議ありと言う。 「商売人には政治のことはわからない」とグループで一括りしてきたら、なぜ自分には議論する資格がないのか、資格があるグループと自分のグループはどう違うのか、そもそもその分類は正しいのかを問い詰めていけば良い。 そんな意見は世間で通用しない、それは本質的な問題じゃないと言われたら、世間というのはあなたの意見のことじゃないですか?本質というのはあなたの意見じゃないんですか?と反論。 質問は相手の思考を強制し、会話をコントロールすることができる。会話の主導権を握りたければ質問する側に回る。 雑感 具体的な会話が書かれてるので参考になる。 人をグループ化するのは橋下徹がよくやるよね。学者は現場がわからないとか言ってたね。 あなたの意見のことじゃないですか?で思い出したのが西村博之のこれ。 [オーディオブック版] ポケット版 弁護士の論理的な会話術著者:谷原誠再生時間:4時間18分オーディオブック配信サービス「FeBe」 この本はfebeで買おうと思う。