1 : ◆TOYOUsnVr. - 2020/03/30 02:53:03.44 d/1h7rEH0 1/18 二限の講義の終わりを告げるチャイムが、響く。 それを受けて教壇の上の先生が「では今週はここまでにします」と言えば、特に号令などはなく、私たち生徒は席を立ち、思い思いの方へと散って行く。 高校生の時分とは何もかもが異なる大学での生活であるが、半年ほど過ぎた今となってはもう、慣れた。 キャンパス内の勝手もそれとなくわかってきて、迷うこともあまりない。 教室を出てエレベーターホールでの順番待ちに混ざって、さてどうしたものかと腕を組む。 今日は三限に何も講義を入れていない曜日であるので、このまま帰宅することが可能である。 だが、一人暮らし――厳密には一人と一匹であるのだけれど――である私は当然、帰宅したところで家に昼食はない。 つまりは大学周辺、もしくは学食で食事を摂る方が楽と言えば楽なのだが、混雑するという欠点があった。 「あーりーすがわ、さんっ!」 そんなふうにして昼食で頭がいっぱいになっていたところ、不意に背後からの、半分抱きつかれる形での衝撃が私を襲った。 元スレ 有栖川夏葉「選手宣誓」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1585504383/ 続きを読む