700 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:20/01/10(金)21:33:27 ID:Dj8 [1/2] 修羅場と言っても物理的な修羅場ではないので箸休め程度と思っていただけたら幸い。 後、正直ほん怖スレと迷ったけど、個人的には心の修羅場だったのでこちらに。もちろんフェイクあり。 15年くらい前に働いてたプロバイダのコールセンターでの話。 一番下っ端だったのにセンタースタッフの対応を伺うアンケートでそこそこ上位だったせいでクレーム担当に回されていた。 その日も勤務についたら即座に担当クレームが割り当てられて、内容を確認したところ、気分的にうへぇ・・・。となった。 と、いうのも、当時はようやくADSLが全国普及してブロードバンドが一般的になっていたんだけど、 それに合わせてNTTが光回線の普及を図っていたものだから、ネットがつながらないというクレームが頻発していた。 (知らない人のために簡単に説明すると、ADSLはメタル回線という銅線系回線でないと使えない。 なのにNTTは何の計画性もなくNTT収容局から顧客自宅までの間を光回線工事してしまうから 突然ネットが繋がらないという状態が多発していた) 顧客(Aとする)は、対応履歴を見るとそんな数多いクレームでモデムの交換だけで2回、技術者派遣して確認もしていたが 改善が見られない。普通なら完全にNTTかPCメーカー振りで終了になるのだが、 NTTが「うちは問題ない。プロバイダの責任」と確認もせずにたらい回しにしたせいで、 Aが発狂状態になっているという状態が履歴に記載されていた。 モデム2回交換で技術者派遣しても改善しないのも珍しいなと思い、Aの近隣住所で調べたところ 近隣住所の顧客の履歴から 「NTTが住宅近隣のメタル回線を光回線に交換してしまったせいでADSLの速度が落ちた(もしくは繋がらない)」 という、内容が複数発掘できた。 なのでクレーム担当の正社員に許可を取り、Aに電話をかけてNTTがAの住所の近くで回線工事が行われた結果 繋がらない可能性が高いので、NTTの技術者に局から自宅までの回線を確認してほしいと伝えたところ、 「NTTが嘘つくわけねぇじゃねぇか!お前らみたいにCMも打ってないところが嘘ついているに決まってるだろ!」 という感じで話にならず、延々と30分くらい話し合ったところで、突然Aが「お前の家どこだよ」と聞いてきた。 まぁ聞かれたところで答えられるはずはないので「お答えできません」と言うと、 今度はなんで答えられないんだ!と怒鳴り声の嵐。 また30分くらい言え・言えませんを繰り返していたところAから電話が切られたのだが、その切れる直前、 「お前の家に火つけに行ってやるからな・・・」 と呟かれた。 慣れてなければビビるんだろうけど、クレーム担当をしていると1日1回のペースで殺人予告をもらうので、 ハイハイワロスで気にも留めてなかった。 それというのも当たり前だけどコールセンターの住所なんて公開してしまえば、気に入らない内容の対応だったという理由で 顧客がセンターにやってきてしまうからもちろん非公開。なのでどうやって火をつけにくるんだよwという感じだった。 しかもAの住所からセンターのある町まで移動だけで1日がかり。絶対にこないだろう・・・と思っていた。 701 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:20/01/10(金)21:33:50 ID:Dj8 [2/2] それからそんなクレーム対応をしたのも忘れた頃、全然接点のない別のチームの後輩から一件対応をお願いしたいと言われた。 本来コールセンターは電話に出た人間が履歴を確認しながら対応するので、なんで俺に頼むんだろう?と思っていたら Aの対応だった。 クレームの続きになるので仕方なく対応を受けたら、折り返し連絡してほしいと 『コールセンターの入っているビルの1階から10階までを使って営業しているホテルの電話番号』が履歴に記載されていた。 その時点で背中がぞわっとしたんだけど、仕方なくホテルに電話すると間違いなくAが滞在していた。 そして電話が繋がってこちらが名乗った瞬間、 「火つけに来たんだから早くお前の住所教えろ」 もうなんというかなんの感情もなく、淡々とした言い方で今もはっきりと覚えてる。 こちらとしては1日かけて放火のためにやってきたのか!?とか、なんでセンターの場所わかったんだ!?とか 色々頭の中を駆け巡って、多分パニックになったのかここらへん何を話したのかよく覚えてないけど、これまた突然 「火、つけさせろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 って電話口で絶叫されて意識が戻った感じだった。 それから受話器が投げ捨てられたのかAの声が遠くなり、それでも何か叫んでるのを聞きながら、 足下に自分を殺しに来た奴がいる・・・という恐怖で手が震えだした。 その間もAは延々と火をつけさせろ!住所教えろ!と喚き続けていていたけど、唐突に電話が切れた。 本当に突然。いきなりプープーと音が流れてきて全然現実感がなかった。 そのままぼんやりしていたら様子に気づいたチームリーダーがやってきて、電話で起きた出来事を伝えてたら、 今日はもう帰れと早退させられた。 それから特に何かあった訳でもなく、Aの履歴を確認しても増えることもなく、 そして俺が退社するまで顧客として記録が残ってた。 当時はPCメーカーやNTTのせいでキチになってしまったクレーマーが多かったけど、その中で一番印象に残ってる話でした。