274: 兵八 01/11/17 19:33 ID:68GOibD3 手練の潜水艦長として有名な、板倉光馬少佐の話。 昭和10年ごろ、板倉さんが新品少尉として「最上」に乗り組んでいた頃。 当時海軍にはある悪い風習が蔓延していた。高級士官が、上陸時の帰艦時間を守らない。 そのくせ下士官・兵が門限を破るときっちり罰を加えるというもので、若い板倉少尉は 日頃から腹に据えかねていた。 ある日、「最上」の鮫島艦長が1時間以上も遅れ、ご婦人方に囲まれて帰ってきた。 板倉少尉は酔った勢いもあって激昂し、艦長を殴り飛ばした。 もちろん、艦長を殴ったとなると軍法会議モノである。板倉少尉は艦長に詫び状を 提出し、クビを覚悟した。 ところが、頬を腫らした艦長は怒るどころか、少尉が激昂した理由を懇切に問い正し、 「よし、わかった」と言ったきりだった。 まもなく、軍令部から士官の綱紀粛正に関するお達しが出た。少尉の意図する所を汲んだ 艦長が、上層部に意見書を提出してくれたのだった。 続きを読む