転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1358756982/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/01/21(月) 17:29:42 ID:pZ5306iw 兄の助力により奴隷労働施設から樽で逃げ出した私たちは、長期の漂流で衰弱しきっていたものの、どうにか修道院近くの浜辺に打ち上げられた。 心優しいシスターたちのおかげで弱りきった体もある程度は回復し、未だ奴隷として残っている人たちや兄の安否を神に祈ることができるほどになった。 しかし完調には程遠いであろう事は誰の目にも明らかな状態なのに、あの方たちは旅立つという。 神の御前にて『共について行きたい』と許しを乞うたものの、突き抜ける胸の衝撃に私の思いは棄却され、無事生き延びる事のできた御加護への感謝と収容所の人たちへの切実な願いのため、神のお示しになる全てに従う事を誓約した私はそれに抗う術は無かった。 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/01/21(月) 17:30:32 ID:pZ5306iw 神は何故お許し下さらないのでしょうか。 私が足手纏いになるからなのだろうか。 それとも、私にはここで為すべきことがあるのだろうか。 様々に思案をするものの内心では完全に受け入れることは適わず、旅立ちの朝、一晩中泣き崩れた私にとってどうにか笑顔で見送ることができた事がせめてもの救いだった。 その日から私は修道女としての修行や修道院の務めに励むことで、徐々にその気持ちを抑えることが出来るようになり、特に務めの中で妊婦から赤子を取り出すという行為においては、その神々しさに、より深き信仰へと邁進することができた。 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/01/21(月) 17:31:15 ID:pZ5306iw そして残りの許される時間の全てを神への祈りに投じ、日々経つにつれてあの方たちへの無事を祈る願いがその大半を占めるようになっていた。 理由づくことはなくとも修道女であるべき自分をようやく受け入れられるようになったとき、突如あの方たちは再びこの場所へに現れた。 『神の塔へ進むにはキミの力が必要なんだ』 王子様の城で起きている問題を解決するために私を求めて下さっている。 再会しえたことに歓喜して舞い上がってしまっては駄目だ。 私は沸き起こる感情を抑え、あの方たちが求めていることを必死に理解しようとした。 『その力を神様より授かる為には、新たな洗礼を受けねばなりません、6日…いえ、5日お待ち下さいませ』 ―――――その間に起こる一幕の激情。 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/01/21(月) 17:32:02 ID:pZ5306iw こんなかんじでどうですかね? 魔物使いの番外編で修道院女と屁が結婚するに至る奇跡の秘話です。 かなりブッ飛んだ内容なので苦手な方は気を付けてください。 19時頃には全て投下します。 続きを読む