転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1568171156/ 1: ◆z.6vDABEMI 2019/09/11(水) 12:05:56.65 ID:BNdasiyFo 【飛電インテリジェンス 社長室】 スーツの男「会社のお金は貴方の私用に使えるお金ではないんですよ!分かっているのですか、社長!」 青年「……すいません」しょぼん スーツの男「全く……どうしてこんな男が社長に……次の社長はどう考えても私だったというのに……」 スーツの社長「貴方はこの飛電インテリジェンスの社長なのですよ?自覚はありますか?飛電或人社長!」 社長室の椅子にしょんぼり座っている、顔色と真逆な位に明るい髪色の年若い人物は【飛電 或人(ヒデン アルト)】。 多機能携帯端末【ライズフォン】や人工知能搭載の人型ロボット【ヒューマギア】を製造、開発、販売する、この会社の社長である。 先代社長の秘蔵の孫であり、遺言状の内容によって社長に就任した。 彼専用ライズフォンと【ゼロワンドライバー】と言うアイテムを使用し、街の平和を守るヒーローとなった……のだが、それは今のところ秘密。 実のところ、インテリジェンスのメンバーは彼のことを全く知らなかった。それ故に、社員は突如現れた若き新社長に内心複雑のよう。 例えばスーツのこの男、【福添 准(フクゾエ ジュン)】もそのうちの一人─── 福添「それで、この領収書……何枚あるんだよこれ!何買ったんですか!」ばさばさばさー 或人「新しい衣装だけど?」 福添「だけど?じゃないでしょう!貴方はもうお笑い芸人じゃなくて社長!分かってください……」 かつての経験から、お笑い芸人を志望している或人だが、そのセンスは壊滅的。彼のギャグで笑う者はいない(たった一人を除いて)。 ひょんなことから会社の社長兼正義のヒーローをやることになった彼は、今日も福添副社長にみっちり叱られながら業務をこなす。 と。 秘書ヒューマギア「或人様」 或人「イズ?どうしたの?」 或人のところに一人の女性が歩いてくる。 人間で言う耳のところに、コードレスのヘッドフォンにも似た機械が装着されていた───ヒューマギアの最も分かりやすい特徴である。 そしてこちらは【イズ】と言う名の、社長秘書。 イズ「街で活躍しているヒューマギアの映像が届きました。モニターに写します」 ヴンッ…… 美食家ヒューマギア『……美味しい!まずこの肉の柔らかさ、適切な温度での保存、ならびに調理がされている事が伺えます』 美食家ヒューマギア『これは最新鋭の急速冷凍ですね?細胞も殆ど死滅しておらず、この新鮮さを保ったまま口に運べるのは奇跡に近い技術と言っていいでしょう……』 美食家ヒューマギア『更に調理も完璧です。付け合わせのソースも甘すぎず、肉からにじみ出る肉汁を引き立たせる為にベリー系の味付けになっていて最高!』 アンジャッシュ渡部型ヒューマギア『このお店は☆5つ!この私、【美食けんさくん】のお墨付きですよ、皆さん是非いらしてください!』 福添「美食家なヒューマギア?馬鹿馬鹿しい」 ※やられる前にやれと聞いたので ※本編と色々矛盾してますがそれでも良ければよろしくお願いします 2: ◆z.6vDABEMI 2019/09/11(水) 12:06:27.15 ID:BNdasiyFo 或人「すげー!あのヒューマギア、食べ物のおいしさを判定出来るんだ?やっぱりヒューマギアは人類の夢、希望なんだよ!」 イズ「或人様にお喜び戴いて何よりです」 福添「まさか、あのヒューマギアの仕事を見てみたい、なんて言い出しませんね、社長?」 或人「ええー!?なんで、ダメぇ?すっごくいいと思うんだけどな」 福添「ダメに決まっているでしょう!いいですか?ヒューマギアは人間の生活をサポートするために開発された、人工知能を搭載したロボットです」 或人「……」むすー くどくどと説明し始める福添。 福添「力仕事やら、人間が行うには困難な作業であればまだ分かりますよ、まだ!ヒューマギアを使うには有効でしょうから!」 福添「それが何ですか美食家って!人間に対して提供されている食事を、機械で判断すべきではないと思うんです!」 福添「旨い不味い、味のセンスというのは千差万別ですし、それらを柔軟なAIがあるとは言え画一化してしまうのはまだ早い、そう思いませんか!」 福添「第一、それを行ってしまえば人間とヒューマギアの境と言うのが曖昧になってしまって……社長、聞いておられますか、しゃちょ……」 副社長の秘書ヒューマギア「お言葉ですが、副社長」 福添「……? 何だね、シェスタ君」 シェスタ「社長は既に御退出なさっています」 怒りを吐き出した福添が社長席に目を向けると、既にそこに或人はいなかった。 福添「……社長ーーー!!!」 続きを読む