転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483426621/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/03(火) 15:57:01.82 ID:U40zAKTBo 目を覚ますとベッドの中で楓さんに抱き着かれていた。 出来ればこのまま死にたい。 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/03(火) 15:57:54.89 ID:U40zAKTBo まず落ち着こう。 何が何だか状況はさっぱり分からないが、とにかく冷静になる事だ。 こういう時は深呼吸に限る。 「――……」 めっちゃ良い匂いがする。 何だろうこれ、ほんと……何なんだろう。 どうして女の子ってのはこう、みんながみんな良い香りなのか。 俺たち男とは種族からして違うんじゃないだろうかと常々思う。 思考が変態染みた路線へ切り替わりそうになり、慌てて頭を振った。 深呼吸はやめておこう。これ以上は危険だ。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/03(火) 16:05:12.19 ID:U40zAKTBo 別の手段で落ち着こう。 そうだ、何かの漫画で読んだ通り、素数を数えてみようか。 2……ん、あれ、1って素数だったっけか。 ええと、確か定義が約数に1とそれ自身をもつ数だから……ええと? イマイチ回りの悪い頭を懸命に働かせるうち、思考も段々と冷えてきた。 ゆっくりと息を吐き、これからどうすべきかを考え始める。 一番に把握するべきは……現在の状況、だろう。 視界は暗い。 俺はベッドへ仰向けに寝転がっていて、丸い照明の吊られた天井が見える。 小さめの窓に掛かるカーテンは、室内よりも僅かに明るい。 明らかに俺の部屋ではないようだ。 どこかの宿にしては小物が多く……となれば、考えられる可能性は一つ。 楓さんの自室。そして彼女のベッド。その上に身体を横たえていると。 「……」 それは考え得る限り最悪の状況で、反証を探しに首だけを静かに回した。 すぐ壁際に空の酒瓶が三本ほど転がって見えて、俺は全てを諦める。 どうしようもないくらいに楓さんの部屋だった。 瓶くらい片付けましょうよ。 あと、下着もきちんと畳んでしまっておいてください。放ったらかしにしないで。 続きを読む