72: 水先案名無い人 04/07/22 23:13 ID:m92r9Q0V 85年、阪神21年ぶりの優勝直後、とある熱狂的な阪神ファンがこの世を去った。 そのファンは「ゆうさん」という愛称で親しまれ、不治の病に冒されてからも 阪神ファン仲間とともにテレビで阪神の応援を欠かさなかった。 そんなゆうさんのお気に入りの選手は、2年目で正捕手の座をつかんだ木戸。 人づてにゆうさんの話を聞いた木戸は、シーズン中にも関わらずひっそりと 病室を訪ね、バットやサイン色紙などをプレゼントし、ゆうさんを励ました。 阪神の快進撃とは反比例するように、ゆうさんの病状は悪化の一途を辿る。 それでも、夢に見た阪神の優勝を見るまでは…と、泣き笑いの毎日が続いた。 優勝が近づいたころ、ゆうさんはすでに余命いくばくもなく、自宅で最期の日々を 過ごしていた。夢にまで見た縦じまの優勝をこの目で見るまではと、必死に 歯を食いしばってその日その日を生き続けた。 そして優勝の瞬間、もはや起き上がることもできないゆうさんは、ベッドの上で 声にならない声をあげ、涙を流して喜んだ。 続きを読む