転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1563702925/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/21(日) 18:55:25.81 ID:FChXWsj50 ――拝啓 北条加蓮ちゃん 本当は、「北条加蓮様」って書くところですけれど、いざ書いてみると、すごく変な感じがしたのでやめました。 だから私の、一番好きな呼び方で書こうと思います。 加蓮ちゃん。 初めてカフェでお話した時のこと、覚えていますか? 加蓮ちゃんは、もう忘れちゃった、って言うかもしれませんね。 カフェで最初にお会いした時の加蓮ちゃん、すごく刺々しかったことを、今でも覚えています。 それでいて、助けを求めているような、もっと近くに来てほしいような……。不思議な感じがしていました。 最初は、やらなくちゃいけない、って気持ちだったかもしれないけれど、今は、一緒にいたい、って思うようになりました。 そういえば。加蓮ちゃんは、私のことをほとんど知らなかったけれど、私は加蓮ちゃんのことをいくつか知っていて、加蓮ちゃんが驚いていましたっけ。 あの時と比べて、私のこと、少しは知ってくれましたか? あれから、いろいろなことがありましたね。 いろいろなことを、お話しましたね。 楽しいことだけじゃなくて、つらいことや、嫌いなこと。 喧嘩しちゃうこともありました。 たくさんの時間を過ごしましたね。 もう、目をつむっていても、あのカフェのことを思い出せるくらいに。 もう、あなたを見なくても、あなたの顔を思い浮かべられるくらいに。 たくさん、たくさん、一緒の時間を過ごしました。 加蓮ちゃん。私は―― 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/21(日) 18:56:02.69 ID:FChXWsj50 レンアイカフェテラスシリーズ第79話です。 <過去作一覧> ・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」 ・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」 ~中略~ ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「そわそわ気分のカフェで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「のんびり勝負のカフェで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「朝涼みのカフェテラスで」 ・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「七夕のカフェで」 いつもの約1.9倍の長さとなっております。ごゆっくりお読みください。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/21(日) 18:56:42.02 ID:FChXWsj50 ――駅のホーム―― <プシュー,ガゴン 北条加蓮「…………」 高森藍子「着きましたっ。加蓮ちゃん、行きますよ」ピョン 加蓮「……………………」 藍子「……行きますよ?」 加蓮「…………もう1駅くらい乗っとかない?」 藍子「乗りませんっ」 加蓮「出たくないー」 藍子「何言ってるんですか。ほら、早く出ないとドア閉まっちゃう~っ」グイグイ 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/21(日) 18:57:09.40 ID:FChXWsj50 加蓮「わ、こら、引っ張るなって暑ぅ! 外暑すぎでしょこれ! やだー! 私今日は電車の中で過ごす!」 藍子「到着、したら、きっと、クーラーも効いて、涼しい、ですから!」グイグイグイグイ 加蓮「ふんぬぬぬぬ……!」 藍子「わ~っ、発車ベルの音が! 加蓮ちゃん! 加蓮ちゃん!!」 加蓮「ふんぬぅ~~~~~~~!!!」 ……。 …………。 続きを読む