転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1563310295/ 1: ◆vlTFewOdSQ 2019/07/17(水) 05:51:35.82 ID:zErl41JR0 ガチャッ 果南「やっほー! ……ってあれ?」 勢いよく部室の扉を開いた先には誰もいなかった。とりあえず中に入ってスマホの画面をつけると、そこには通知が何件か表示されていた。 果南「あちゃぁ。今日は休みに変更になってるよ」 私の連絡把握ミスで、休みなのにわざわざ部室まで来てしまった。ダイヤも鞠莉も私が教室を出た時点で教えてくれれば良かったのに。 果南「はぁ。折角来たし少し休んでから帰ろっと」 私は並べられている椅子の中から入ってきた扉に一番近い椅子に座った。 2: ◆vlTFewOdSQ 2019/07/17(水) 06:15:20.23 ID:zErl41JR0 部室の中は丁度良い暖かさの風が吹いている。気持ち良くて気を抜くと寝てしまいそうだ。 果南「ふあぁ……少しくらい寝ても大丈夫でしょ」 私は自分の欲に逆らわず、ゆっくりと目を閉じた。段々と力が抜けてリラックスしていくのが分かる。 あと少しで眠れそう、そんな時に大変なことに気がついた。 果南「そういえば、なんで部室の鍵が開いてるのさ」 鍵は練習終わりに閉めているし、誰もいなくなる時にも閉めるようにしている。昨日の帰りも私が鍵を閉めて職員室に戻した。さっき部室に入った時は開いていて当然のつもりで入ってしまったから気がつかなかったけれど、よくよく考えたら大変なことが起きている気がする。 私が入った時、部室の中には誰もいなかった。でも鍵は開いている。ということはもしかして……。 3: ◆vlTFewOdSQ 2019/07/17(水) 06:38:44.22 ID:zErl41JR0 果南「まさか、オバケ? ……ないないないない! そんな訳ないよ、ね?」 いるはずなんてないと分かっていても、訳の分からないことが起こっているとオバケの仕業なんじゃないかと考えてしまう。 果南「ひゃうっ!」 オバケのことを考えていたら冷たい風が吹いてきた。私は風の不意打ちに思わずびっくりして声を上げてしまった。 勇気を振り絞って風が吹いて来た方向へ目をやると、風で揺れているカーテンが目に入った。 果南「そこ、開いてたんだ……」 開いているガラス扉の方へゆっくりと向かってみる。もしかしたらオバケがいるかも知れないからね。オバケなんかいないけど。 手を伸ばせば触れるくらいの距離まで近づいたところで、私は目を瞑って耳をすませてみる。 ズサッ……ザザッ…… 何かが地面を擦る音が聞こえる。それもかなり近い。少なくとも何かが隠れている事は確かだ。 とりあえず足があるということはオバケではないということだ。それなら私は大丈夫。ガラス扉に手をつけると勢いよく開いて外へ出た。 果南「そこにいるのは誰!?」 続きを読む