転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1345227867/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 03:24:27 ID:A6jXjJ26 ※地の文だらけで、俗に言うSSとは違うかと思います。 書き溜めはありますが、もしもしなのでちょっとペースが遅いかもしれません。多分暗いです。それでもよろしければ、お付き合い下さると嬉しいです。 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 03:27:28 ID:A6jXjJ26 ── 彼女の全てを知ったのに。 彼女は、前よりもっと眩しくなった。 ──思春期が、想いの邪魔をする。 ── 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 03:28:11 ID:A6jXjJ26 ── 夕方。 五時頃の話。 ── 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 03:32:08 ID:A6jXjJ26 「……それ以上、綺麗にならないで」 本音から不意にこぼれた僕の呟きは、少し先を歩く彼女の背中を少しだけ揺らした。 「……あは、何それ。ばかじゃないの?」 幼馴染同士らしい軽口が秋風を連れて、微妙な距離感を保ったまま僕らの横を滑っていく。 心なしかいつもより歩く速度の遅い彼女は、ホテルを出てから僕の顔を一度も見ない。少し俯いて、登り坂をぎしぎし踏みしめて歩いている。 5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 03:35:22 ID:A6jXjJ26 「……」 「……」 沈黙の上に、二人の足音が乗っかっていた。夕陽が、坂の上から無神経に僕らの顔を必要以上に紅く照らす。 「……」 「……」 制服のスカートに埋(うず)める彼女の指が、僅かに震えている。僕はその先で揺れるチェック柄の短い裾を眺めながら、壊れてしまった大切なことを痛感していた。 「……後悔、してる?」 続きを読む