転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1345221448/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 01:37:28 ID:0gABUAYE 勇者「・・・だめ?」 魔王「私に何も得がありません」 勇者「ホントに?」 魔王「あるのならば挙げてみなさい」 勇者「・・・えーと、ボクにやられずに済むとか、かな」 魔王「・・・失礼、先に逃げていいかを問うたのはあなたですよね?」 勇者「うん、そうだよ」 魔王「なぜあなたは逃げよう等と愚かにも思ってしまったのでしょうか」 魔王「力量の差を思い知ったからではありませんか?」 勇者「んー・・・じゃあそれで」 魔王「なんですかそれは」 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 01:47:55 ID:0gABUAYE 魔王「敵前逃亡したい、という願望が何から生まれるのかはわかりますか?」 勇者「魔王怖いな~・・・とか?」 魔王「恐怖心、そうですね。つまりあなたは私に対して恐怖心を抱いている」 魔王「だから逃げたい、違いますか?」 勇者「ちょっとかな・・・うん、ちょっと」 魔王「歯切れが悪いですね、では恐怖心意外のものは何なのでしょうか?」 勇者「早くお家にかえりたいな~」 魔王「・・・・・・」 勇者「・・・だめ?」 魔王「・・・失礼、よもやこの場でそんな言葉が聞けるとは思いもしませんでした」 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 02:00:34 ID:0gABUAYE 魔王「・・・コホン、お家にかえりたい、ですか」 魔王「つまり、何かやり残したことでもあるのですか?」 魔王「それも、私の前から逃亡せねばならないほどの用事が、です」 勇者「伝説の剣置いてくから、それでいい?」 魔王「話を反らさないでください、いいですか?」 魔王「話にわざわざ乗っている、ということは、場合によっては逃がして差し上げてもいい、という意思表示の現れです」 魔王「今のその一言は、それを台なしにするところだったのですよ?」 勇者「・・・ごめんなさい」 魔王「・・・よろしい、話を戻しましょう」 魔王「あなたの残してきた重大な用事とは?」 勇者「うん、えーと・・・」 勇者「・・・・・・」 魔王「・・・・・・」 勇者「・・・忘れちゃった」 魔王「 」 5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 02:18:46 ID:0gABUAYE 魔王「・・・話になりませんね」 魔王「理由も無く危険人物認定を受けたあなたを野に放すなどできるはずがありません」 勇者「ボクが危険人物・・・?」 魔王「ここまで来るのに邪魔したものを屠ってきた身で自覚が無いのですか?」 魔王「散っていった者達も浮かばれませんね・・・」 勇者「でも、その危険人物が王の近くに居るって、すごく危険だと思うんだけど」 魔王「ほう、つまりどういう事でしょう」 勇者「危険なわけだし、魔王を傷つけちゃうかもよ?」 勇者「そういうのは部下に任せてー・・・」 魔王「自分の手でやれば、確認等する手間が省けます」 魔王「それに、私は見た目こそ貧弱ですが、そこそこ戦闘はこなせる方だと自負しています」 魔王「どうですか?一度戦ってみます?」 勇者「戦うんじゃなくて逃げたいんだって!」 続きを読む