転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1397694347/ 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/17(木) 09:25:47 ID:0CTncaG. ※ 元ネタ:Plague inc. 知らなくても普通に読める上に知っていることで面白くなることも無い。 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/17(木) 09:35:52 ID:0CTncaG. 少年「……うーん」 暗く深い森の中、一人の少年が立ちすくみ、声を漏らす。 ぽん、ぽんと跳ねるリスとそれに揺らされる枝のほかには、動くものは無かった。 少年「どうやって帰ろう」 少年は、道に迷っていた。 探検をしてみようだとか、木の実を取ろうだとか、そういった目的も無くなんとなく入った森でこれである。 しかし延々とその場に立ち竦んでいても事態は進展しない。 それを知ってか、少年は重い足取りで前に進み始める。 が、 少年「う、わぁっ!」 日の光が届かず、ぬかるんだ地面に足を取られたと少年が察したとき。 既に彼は、坂を転がり落ちている最中であった。 3 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/04/17(木) 09:54:23 ID:0CTncaG. 僅かな段差や木の枝で跳ね、時には動物の死骸にぶつかりながら少年は転げ落ちる。 結局、その下り坂の最後まで転がり続ける羽目になったが、太い幹や岩にぶつかることが無かったのは幸いといえよう。 坂の下、傾斜のない場所で止まってからも、少年はその場でうずくまっていた。 骨折までの怪我はなくとも、彼の身体には鈍痛が残っているのだ。 服は千切れた枯れ草と泥にまみれ、その下も擦り傷と痣で汚れていることだろう。 目に涙を溜め、誰に聞かれるわけではないが、嗚咽をかみ殺し、彼は痛みを抱え込む。 痛みに身を震わせながらその場から動けない少年。 そんな彼の耳に、突如、 「Ring-a-Ring-o' Roses, A pocket full of posies,」 透き通るような声が、届く。 4 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/04/17(木) 10:19:13 ID:0CTncaG. 少年「……、?」 綺麗な声だ、と少年は素直な感想を抱く。 ただ、少年はまだその言語について学校で習っていないこともあり、歌詞は分からなかった。 少年はふらりと立ち上がり、声のするほうに向かって歩き出した。 痛みはまだ引いていないが、しかしそれでも、なにかに導かれるようにして少年は歩く。 「Atishoo! Atishoo! We all fall down.」 透き通るような声が、少年の周囲を満たす。 乾いた風のような、小川を流れる水のような、そんな声だ。 重い身体を引きずりながら進む少年。 そんな彼が、大きな木を避けると、そこには陽光で照らされた小さな舞台があった。 続きを読む