転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540039477/ 1: ◆C2VTzcV58A 2018/10/20(土) 21:44:37.56 ID:igAXJrjpO ある日の事務所 志保「戻りました」 P「おかえり、志保。レッスン、どうだった」 志保「別に、いつも通りです。課題がいくつか見つかったので、次までに直しておかないと」 P「そうか。志保ならきっとできるさ」 志保「……適当に言ってませんか?」 P「統計と信頼に基づいた発言だ。安心してくれ」 志保「調子いいんだから……まあ、いいですけど」 P「あ、そうそう。昨日のメールの件、今話してもいいか?」 志保「昨日の……ああ、あのことですか。お願いします」 P「結論から言うと、俺もEScapeを一度きりのユニットとして終わらせるのは惜しいと思っていた。瑞希と紬の意見も必要になるけど、いつかは再結成してクール系美少女ユニットの新たな活動を行うのもありだと思っている」 志保「あの物語の終わり方に手を加えるのは、難しい気もしますけど」 P「そうだなぁ。あの映画自体は、綺麗に終わってるもんな。そのあたりも含めて要検討だ」 志保「……ありがとうございます。弟のお願いに耳を傾けてくれて」 P「大好きなお姉ちゃんを仕事で借りてるんだ。このくらいのお返しはしないとな。……ところで、ちょっと話が変わるんだけど」 志保「なんでしょう」 P「これ、志保が昨日送ってくれたメールなんだが」 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/20(土) 21:51:09.68 ID:igAXJrjpO 『志保です。最近、弟が「えすけいぷのおねえちゃんがまたみたい」とよく言っています。私としては、あの物語はあそこで完結していると思っているのですが……プロデューサーさんは、どう思いますか? 返事は急がないので、考えておいてもらえると嬉しいです』 志保「何か、変でしたか」 P「志保が『えすけいぷ』ってひらがなで打ってるところを想像するとかわいいと思った」 志保「……プロデューサーさん、よくわからないところにかわいらしさを感じるんですね」 P「いやいや、きっと一般的成人男性の感性に近いぞ」 志保「……そういうものでしょうか」 P「その顔、信じてないな?」 志保「はい」 P「言い切られてしまった……」 志保「経験上、プロデューサーさんの言葉は疑ってかかるべきだと思っているので」 P「俺の言葉、他の人と比べてそんなに軽そうに聞こえるかなぁ」 志保「冗談が多いのは事実だと思います」 P「それはそうだな……みんなからの信頼を得られるよう、少し行動を改めるべきか」 志保「……別に、信頼していないとは言っていませんけど」 P「え?」 志保「冗談が多い、というのも理由のひとつではありますけど。私がプロデューサーさんの言葉を疑うのは……その。あなたの言葉は、漫然と受け入れるんじゃなくて、ちゃんと向き合って意味を考えたいと思っているからですし」 P「………」 志保「………」 志保「すみません。今のはなかったことにしてください」 P「俺の心のメモリーの奥深くに封印しておこう」 志保「封印ではなくメモリーを消去してください」 P「ディストピアだ」 志保「プロデューサーさんはアンドロイドではありません」 P「しかし貴重な志保のデレを消してしまうなんてもったいなさすぎる……!」 志保「デレてないです。だいたい、もったいないってなんですか。そういうことをしているから、部屋が散らかるんです」 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/10/20(土) 21:55:54.91 ID:igAXJrjpO P「こ、この前志保が来た時はたまたま掃除をしてなかっただけだ。普段はもっと綺麗だよ」 志保「本当でしょうか」 P「疑うなら今度また俺の部屋に来るか?」 志保「いえ、結構遠いので遠慮しておきます」 P「冷静だなぁ」 志保「クール系美少女ユニットの一員なので」 P「そのフレーズ気に入ってるだろ」 志保「他のふたりも気に入っていますよ」 P「普通にいいことだな……まあ、メールの文面すらもクールな志保だからこそ、昨日の『えすけいぷ』に俺は心躍ったわけだが」 志保「プロデューサーさんこそ、よっぽどお気に入りのようですね。元は私の弟のセリフなんですけど」 P「りっくんには感謝だな」 志保「ちょっと呼び方が馴れ馴れしすぎませんか」ジロ P「怖い怖い。弟想いなのはわかるけど心配しすぎだって」 志保「……万が一あの子に変なことを教えたら、家族会議ですから」 P「むしろ家族会議に俺混ざっていいのか」 志保「………」 志保「なかったことにしてください」 P「どれを」 志保「家族を」 P「ディストピアだ……」 続きを読む