転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1339946594/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/18(月) 00:23:14 ID:9VNuO0XQ <森の奥> 学者「やれやれ。困ったね。すっかり暗くなってしまった。」 少年「プロフェスール、あなたが夢中になってこんな森の奥まで来るからですよ!」 学者「悪かったと謝ってるじゃないか。しかしこの種の薬草は、この森でしか採れないのさ。」 少年「わかってるんですか?この森には魔物が出るという噂が」 学者「魔物、ねえ。出てきたならきたで、是非とも生きたサンプルを持ち帰りたいものだ。」 少年「あのう、プロフェスール?そんな風にフラグを立てたら……!」 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/18(月) 00:24:13 ID:9VNuO0XQ 学者「君にも魔導の心得があろう。魔物など敵ではないさ。」 少年「どうしてそんなに楽観的なんですか!ほ、ほら!見てください!あそこ!茂みが何か動いているではありませんか!」 学者「まったく君というものは、臆病だね。それでもタマのついてる男の子かい?」 少年「プロフェスール!ぼくは慎重なだけなんです!それに、下品なことを言わないでください。綺麗な顔して。」 学者「ほら見たまえ。猫じゃないか。おいで仔猫ちゃん。にゃ、にゃー。」 少年「……プロフェスール。その流れは非常にまずいです。」 学者「なにがだい?おや?あれはなんだろう。ちょっと見てくるよ。私が戻るまで、ここを動かないでくれるかい?はい。猫。」 少年「いっ、いかないでくださいよ!それに、だめですよ!うら若い女性をこんなところでひとりにできません!猫どうするんですか!」 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/18(月) 00:24:55 ID:9VNuO0XQ 少年「ほら言わんこっちゃない!魔物の群れですよ!?プロフェスールのせいですよ!」 学者「解せぬ」 少年「え、えと、呪文、呪文は……」 学者「焦る必要はないさ。棒切れ振り回しているだけで勇者と呼ばれる者のいる昨今、魔物の一匹や二匹、恐るるに足らない。」 少年「いっぴきや!にひきじゃ!ない!じゃないですか!3ダースはいるじゃないですか!」 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/18(月) 00:25:50 ID:9VNuO0XQ 学者「こんなこともあろうかと、妖精の光粉を蒔いておいたのだ。君は辿って逃げたまえ。猫はよろしくな。」 少年「なんですって?」 学者「私が囮になって君を逃がすだけのことさ。必ずあとで追いつく。ここは私にまかせて先に行きたまえ。」 少年「何を言い出すのですプロフェスール!どうしてあなたというひとはそうやって死亡フラグ立てまくるんですかー!」 学者「案ずることはない。棒ッキレ振り回して勇者と名乗るのに同行する魔法使いなんかよりずっと私のほうが優れているのだからね。」 少年「あなたが優秀なのは百も承知してますが!あと王家に任命された勇者をそんな風に言わないの!」 5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/18(月) 00:26:29 ID:9VNuO0XQ 学者「ああ。無事にここを抜け出したら、私を賢者と讃えるがいいさ。さあ!足手纏いはさっさと行くんだ!」 少年「むむむ……!」 学者「いいから行きたまえ!」 少年「ヤです!」 学者「言っただろう君など足手纏いだ。それに魔物どもも、男の子の筋っぽい肉よりも、女の私の肉のが良いだろう。」 少年「なんてこというんです。もとより、あなたに拾ってもらった命なんですから、あなたを置いて逃げられるわけはない!」 学者「勝手にしたまえ。怪我をしてもしらんからな。」 少年「勝手にします!」 続きを読む