転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1386237506/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/05(木) 18:58:26 ID:S4FOgiRw 緩和ケア病棟での九ヶ月間、じいさんは頑張っていたんだと思う。 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/05(木) 19:00:37 ID:S4FOgiRw じいさんは、強い人だった。 いつも笑っている、年の割に子供っぽい人だった。 成人した俺を、いつまでも子供のように扱っていた。 会う度に、お菓子やジュースを進めてくれた。 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/05(木) 19:06:24 ID:S4FOgiRw じいさんは、若い頃から入院するまではやんちゃだった。 戦後の日本を、所謂「愚連隊」として肩で風を切って歩いていたらしい。 殺人以外の犯罪はほぼこなしたと笑っていた。 年老いた後も、主な収入源は年金と、生活保護と、スリと呼ばれる犯罪行為だった。 世間一般的には忌避されかねないじいさんだったが、俺はそんなじいさんの事は大好きだった。 もちろん社会的制裁は受けている。 齢七十を過ぎて四年の刑期を受けていたりもした。 4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/05(木) 19:15:05 ID:S4FOgiRw 年の割に若く見えて、やんちゃにスーツを着こなすじいさんは、銀幕のスターさながらに見えた。 麻雀が好きで食い意地の張ったじいさんだった。 後妻のばーさんの食ってるおかずをとったりもしていた。 その後とぼけるが、誤魔化し方が雑だった。 みんなが見ている前で箸を伸ばして取ったというのに、知らぬ存ぜぬで通そうとする。 面白いじいさんだった。 そんなじいさんが好きだった。 続きを読む