魔王「私の使命は・・・」

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転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1340262297/

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:04:57 ID:ITaxGcJo
--------------魔王城 魔王の間 最後の戦い中-------------
勇者「魔王!覚悟!!!」

魔王「ふははは!流石だな!勇者、しかしまだまだ!(ふふふ、今回の勇者やりおる、気に入った)」

勇者「くっ!手ごわい(だけどなんかすげぇ楽しいな)」

賢者「私たちをお忘れでなくて?勇者!攻撃力増強魔法+速度上昇魔法!」

盗賊「攪乱はおれっちに任せな!」

戦士「魔王の攻撃は全部俺達が何とかする!勇者、お前は攻撃に集中しろ」

魔王「バカどもが!うぬら人間が勇者と魔王の戦いに水を差すな!」

勇者「魔王!僕らはどんな苦労もどんな困難も4人で乗り越えてきた!お前も4人で倒す!」

魔王「よかろう!だが、勇者であるお前はともかく、生身の人間が私の攻撃を受けて無事で済むと思うな!」」

その後、勇者の光の一太刀が魔王を切り裂き、それが決定打となった


2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:06:24 ID:ITaxGcJo
勇者「はぁはぁはぁ・・・魔王!往生の時だ、止めだ!」

魔王「ま、待て・・・これ以上の攻撃は待ってくれ」

戦士「何?魔王ともあろうものが命乞いか?」

魔王「違う、勇者の光で切り裂かれた以上、この世界の魔王である私はもう助からない。近いうちに灰燼と化すのは間違いない。お前たちの勝ちだ。だが使命は果たさなければ」

賢者「使命?(この世界の?)」

魔王「そうだ、勇者には魔王を倒すという使命があるように、魔王にも使命がある」

盗賊「けっ!魔王に使命?世界を滅ぼすとでもいいたいのかい?」

勇者「それとも僕を殺すことかな?」

魔王「どれも違う、それをするなら自爆とか、破壊神を召喚すればいいだろうが、それは私の美学に反する。先ほども言ったとおり、勝ったのはお前たちだ」

賢者「言っていることがまったくもって意味不明ね、聞く耳持たなくていいのではないかしら?」

魔王「賢者よ、通常の人間であるお前たち3人はそれでもいいだろうが、勇者には聞いてもらわないとならない」

魔王「長い話になる、これ以上のダメージを受けては全てを語れなくなる。こちらに攻撃の意思はない、疑うのなら戦士、刃を私に向けておくといい」

勇者「皆、聞こう、魔王、話してくれ」

戦士「おいおい、武器おさめるのかよ、勇者もお人よしだな、ま、お前がそうなら俺もそうするわ」


3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:09:05 ID:ITaxGcJo
魔王「勇者よ、私を倒して望むのは、平和か?」

勇者「当然だ、そのために旅をしてきた」

魔王「では、その平和な世界でお前はどう立ち振る舞う?」

賢者「・・・・」

勇者「えっ・・・?」

戦士&盗賊「???」

勇者「王様に認めてもらって、結婚して実家に帰るという平凡なのを思い描いてたんだけどなぁ」

魔王「はっきり言おう、それは無理だ。なぜならお前は勇者、魔王を倒した人間だ。姿形は人間をしているが、戦闘能力的には・・・我らと同じ化け物だ」

勇者「戦闘を教える先生になるとか・・・・」

魔王「初めのうちはよい、お前は英雄として凱旋される。国王も認めそういう貴族の教育かかりのような重役につけるかもしれない、だがそれは続かない。
そもそも、それは勇者である必要性が全くない」

勇者「確かに、僕は力では戦士に勝てないし、魔法も賢者には勝てない、スピードも盗賊には・・・ははは、僕って何が誇れるんだろうね」

魔王「そんなもんは私に立ち向かってくる勇気しかないだろう。勇者の武器は勇気であり、魔王を倒せる一撃を放てることだ。さて、話を戻そう」


4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:22:44 ID:ITaxGcJo
賢者「つまり、『普通の人間じゃない勇者』を普通の人間の組織で面白く思わない人がいるのではないかということね」

勇者「そ、そんな・・・・」

魔王「流石は賢者か。理解したようだな。その通り、貴族でもない、王族でもない勇者を国王以外の公爵はどう思うか。答えは簡単、目の上のたんこぶだ」

戦士「くっ!そんなことがあってたまるか!俺たちは勇者をそんな扱いはしない!」

魔王「それはお前たち3人が勇者と強い絆で結ばれているからだ、他の人間はそんなことはなく、そうするのが人間だ。誰も自分の横に脅威はおいておきたくないものだろう?」

戦士「・・・くっ、でもそれは俺たちにだって同じ戦闘能力を持ってるじゃないか!そりゃ勇者に比べたら弱いけどよぉ」

賢者「戦士、私たちには当てはまらないわ。私たちは最悪転職してしまえばレベルは1、能力も半減するわ。元が普通の人間だもん」

戦士「そ、そうか・・・、しっかり鍛錬を積んでいるとはいえ、そういう人間ならそれなりにいるもんな。だからさっき魔王は俺たちを普通の人間って言ったわけか」

盗賊「そこらへんはわかったけどよぉ、それは勇者と俺たち普通の人間の問題であって、あんたに関係ないだろう?あんたの使命はどうした?」

魔王「あわてるな、盗賊。こういう話をしたのにも私の使命と関係があるからだ」



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